prologue








遥か昔















古より
















伝統や









その身に宿る特殊な力











その身に流れる血統
















――― そして・・・












命よりも大切にしている誇りを





















海より深く愛し大切に、固く守り続けている国がありました。
















*  *  *







あまりに人知を超えた未知な能力故


嫉み、我が物にしようと


その国は他国から、毎日の様に狙われる日々を送っていました。











暗殺、誘拐、繰り返される戦争





つきる事のない争いは何年も何十年・・・・




気がつけば百を超えていてもなお








世代を超えて、醜く果てしなく残酷な争いは続いた・・・・・








やがて ―――








人に脅え、傷つき、憎み、悲しみにくれる毎日を・・・


笑顔等遥か昔に忘れられた現状を変えるべく





国一番の最強と謳われ
皆の道標と崇められていた一族が立ち上がった。










国民全ての力を借り

その身に宿る力を最大限に使用し



この世に存在するありとあらゆる生命の記憶から



自分達が愛する祖国の存在を抹消する事に成功した・・・・















完璧ともいえる術は見事に成功を果たし
その日からばたりと止んでしまった様々な悪質な襲撃に


皆は喜びに溢れ



涙を流した






その国には
とうの昔に忘れてしまった笑顔と希望の光が、再び咲きほこっていた・・・・・















世代を超えた永い戦いが、





この日漸く終焉を迎えた瞬間だった―――













この永きに渡った戦いに終止符を打つ事に成功した
祖国最強と謳われ、皆を纏めていた一族の頂点に立ち、
国民から緋紅の王″という愛称で呼ばれた男は


喜ぶ国民や、我が一族の姿を水晶で見ながら


涙を流した




彼は思った



終わった″と・・・・






















この時は確かにそう思った・・・・










しかし神は残酷にも・・・・・









また彼らに過酷なる試練を与えた









争いが終わり、




他愛無いジョークを言ったり




誰かと愛し合い、子孫を残したり





笑顔で家族と一緒に生きていける





些細で当たり前な、愛おしい日常









そんな・・・・


安息なる普通な平和を楽しむ事が出来たのも












ほんの数年だけだった――――−−−−




















数年の月日が経った頃 ―――










平和と安息を求めて戦い続け



漸く訪れた幸せを手にする事が出来たあの一国の民達が・・・








無情にも・・・




再び無意味な争いを繰り返す道を選んだ・・・・・・



















[2012・6・12]
[2013/3/9 加筆・修正]


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