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10日で愛を、育もう
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 http://.......... 

 友人から渡されたメモにあるURLを入力し、そこへジャンプする。

『パスワードで通信を開始します。パスワードを入力して下さい』

 真黒な背景に浮かび上がる白い文字と入力ホーム。そしてページの最下部にある「Doll」という紫色のロゴ画像。

 スクロールバーはない、ただそれだけのウェブサイトだった。

「んー『help4649』っと……って俺の名前か。何だこれ」

 下平助はURLの下に記してある通りに文字を入力ホームへ入れる。一文字入力していくごとに文字は黄金に光る。その不可解な現象に思わず首をひねった。

「こうやって見ると凄い怪しいな。…ま、今更どうこういっても仕方ないか……じゃ、どーぞ」

 そうして、エンターキーを押した。しかしページに反応はなかった。

「……? あれ、動かな……」

 何も動かないページへ、助はもう一度エンターキーを押そうと指に力を込めた。

 しかしその刹那、助の視界は光に覆われた。
 光源はパソコンの液晶画面。強い光によって何も見えないという突然の事態に、助は動くことさえできなかった。

 ───なっ……! パソコンが光っ……!?

 思わず叫び声を上げてしまいそうになったが、現時刻真夜中1時。理性が先行しどうにか堪えた。光はやがて徐々におさまっていく。

「何だったんだ……。って……。…………ひっ──!?」

 視界が完全に開けた助に現前したのは、パソコンではなく、床に倒れる一人の少年だった。
 あっけに取られた助の前で、その少年は瞳を開く。そうして助の前に起き上がった。青い瞳を有した少年はただじぃっと助をその澄んだ青で見つめる。

 助は身じろぎ一つしない少年へ、行き詰まった末、尋ねた。

「……ど、どちら様?」
「…………。ベッド」
「え?」
「ベッド、どこ」
「あ、そこ」

 助は後ろを振り向き馬鹿正直にベッドを指差す。
 俺は何をしているんだとはっとした時にはもう、少年はベッドの上へ横になっていた。

 二の句が告げない助へ、ベッドに重みを寄せる美しい容貌の少年は感情の起伏のない声で言った。

「眠い、寝る」
「……ね、る?」
「何もしないの?」
「はあ?」
「……別にいいや。オヤスミ」

 ちょ、ちょっと待て。

 助が声を上げる前に、既に少年は寝息を立て始めていた。

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