やなむしハウス 03 ごきぶり先輩は、不完全変態といって、さなぎを作らず、子供の頃からたいして姿が変わらない昆虫だよ。 卵はおサイフ(おサイフにしか見えないけれど本当は卵鞘というよ)に入っていて、ふつうはメスの先輩がしばらく持ち歩いた後、タンスやテレビの裏側にポロッとくっつけておくよ。 ただしチャバネゴキブリ先輩の場合は、子どもが生まれるまでメスがおサイフを持ったままなんだって。お尻に何かついている女性の先輩を見ても笑わないであげてね。 おサイフの中には卵がたくさん。生まれたての真っ白な赤ちゃんごきぶりがおサイフをこじ開けて出てくる姿は、なかなかエイリアンじみていて、でも何となくドラえ●んの四次元ポケット(またはとりよせバッグ)を思い出すよ。 赤ちゃんには羽はないんだ。よく見かける、体に白い筋がついた赤ちゃんはクロゴキブリの赤ちゃんなんだって。 子どもはフェロモンで集まって小学校みたいに群れて暮らすよ。 その後、何度も脱皮を繰り返して大きくなっていくよ。 脱皮直後の先輩を見たことがあるかな?すぐに黒く固くなってしまうけど、脱ぎたては全身真っ白で、太ももがちょっとせくしーだよ(※そのせくしーさが逆に気持ち悪いとも言えるよ)。 やがて大人になったら恋もするよ。 ごきぶり先輩は意外にもロマンチックな恋をするんだ。 ≦前へ次へ≧ [戻る] |