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両腕が欠落してる女の子





「今すぐそいつから離れろ」










声と同時に男たちの手が止まった。つられるように溢れ出ていた涙も止まった。
だって、その声は私が一番知ってる、私の一番隣に居た人。




「…レ…レンッ…」




嬉しさを抑えられず名前を呼んだがすぐ言葉を失った。
睨みつけるレンの目は殺意を持っているように鋭くて怖かった。

男二人は顔に汗を流し、まるで幽霊でも見たかのように居なくなり、置き去りにされた私の傍に歩み寄るレンにびくびく怯え伸びた手にぎゅっと目をつぶると頬に暖かいものが触れた。
目を開けるとレンの顔がすぐ目の前にあったけど前髪が邪魔して顔が見えなかった。


壁に背中を預けていた私を立たせると地面に落ちてるパーカーを拾い、ついていたごみを手でほろうと家を出る前に着せたようにまた私に着せた。



「……っ…」



そして優しく背中を押され、一言も会話をせず家に帰った。
 
 
 


あきゅろす。
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