両腕が欠落してる女の子
―10分後―
「…レン…暇」
俺は本で時間を潰せてもリンはただ静かに座ってるだけ。両腕が無いと何も出来ないから暇になるのも当たり前。
それにしても時間が余る。何も出来ないリンにとっては苦痛の時間だろう。
「…おとなしくしてろって」
「無理!暇ぁ!」
そう叫んでリンはおもいっきり俺に倒れ込む。いきなりの重みに耐え切れず床へ倒れるとリンの髪が頬を掠めた。
「…いーからおとなしくしてろ!」
言い切ってから声が怒鳴り口調だったのに気付いたがもう遅い。
「なによ…そんなに怒らなくたっていいじゃない…、レンの馬鹿ッ!」
泣きそうな顔をしてリンは俺の部屋から出て行った。
手を伸ばし引き止めようとしたが、腕が無いんじゃ家から出る事も出来ないだろうと考え、再度本に視線を戻した。
風が俺の髪を弄んでるのにふと、開いている窓を見るとメイコ姉の言葉を思い出した。
『今日は天気も良いし、空気の入れ替えするから窓と戸は開けておいてね』
戸ってまさか、玄関の戸も……
「…ちょ、リンッ!!」
読んでいた本なんか投げ捨てて出て行ったリンを追いかけた。
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