両腕が欠落してる女の子
「レンー、」
少し厚い本に目を通していると扉の向こうから聞き慣れてる声が聞こえる。
「どうしたー」
「開けて」
「…は?」
「開ーけーて」
「自分で開けろよ」
「いーから開けて!」
扉越しで怒鳴られ訳が解らないまま命令通り戸を開けると両肩がだらんとした服を着たリンが今にも泣きそうな顔をして立っていた。
「どうしたんだよ……って、」
……ん?
両肩がだらんって…、
「……リン、腕は?」
「………ない」
両腕が欠落してる女の子
「マスターが原因調べてるからおとなしくしとけってさ」
「ぶー」
「…これ、着といて」
「なんで?」
「なんでも」
自分で着ていたパーカーをリンに着せ、チャックを上まであげる。
リンには大きいのか、だぼっとしてる。
「……」
見続ける事をやめ、視線を本へと戻し時間を潰そうと思った。
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