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小説
残念ながらべた惚れ(クオリン


「んー、あー暇だ」


天気も良いし、暑くも寒くもないし、なにより静か。まるで誰も居ないかのような静かさ。
…本当に誰も居ないのか不安になり、暇つぶしに探し回った。


「………」


本当に誰も居ねえ。部屋はもぬけの殻。
…何だ?今日何んかあったっけ?
いや、何もないはず。もしかしてこれはいじめか?俺に対するいやがらせか?
頭が混乱して思考がおかしくなってきた。
しっかりしろ、俺。

途方に暮れたていたとき、どこからか歌声が聞こえてきた。


「この声は…」


理解したと同時に歌声が聞こえてくる方向に走る。


「リンッッ!!!」


バンッ!!
と壊れるくらい勢いよく戸を開けた。そこにはすごく驚いているリンが居た。


「ク、クオちゃん…?」


あまりの突然さにどうしていいのかわからないリンを無視し抱き着いた。


「あ〜よかった。リンが居てくれて、ほんとよかった」


俺は小学生か。でも一番会いたい人が居てくれてすごく嬉しい。
状況が掴めないリンは困りながらも俺を引きはがして事情を聞いた。


「えと、どうしたのクオちゃん?」

「リン、俺のこと嫌いなの?」

「ええっ!?なんでそうなるの!?」


引きはがしたことにむっとして意地悪く言ってみたらこの反応。やばい可愛い。


「えっ、き、嫌いじゃないよっ」


咄嗟の質問に顔を赤くしながらも言った。
なんか無理矢理言わせてるみてー…。まぁそうなんだけど。


「じゃあ俺のこと好き?」

「ふぇええっ!?」


さっきより顔真っ赤。まぁそれが可愛いんだけど。


「俺はリンが好きだよ」


さらっと思ってることを口にする。リンは目を見開いて顔が林檎のように赤い。
でもリンは俺がからかっていると思い、冗談はよしてよー、と苦笑していた。
俺はそんな彼女をただ見つめていた。










残念ながらべた惚れ


この想い、どうしようか

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