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小説
君が異性に変わってゆく


ひとつの部屋を過ぎると扉からふと、耳に入る音。そう、それは、私の好きな歌声。


「歌の練習してるの?」


部屋に入れば楽譜を見ているレンの姿。こちらに気付きヘッドホンをはずす。


「ああ、マスターから新しい楽譜もらったんだ」

「…リンも一緒に歌っていい?」


一緒に歌いたい。それは確かだけど、本当は傍に居たい。歌声を、間近で聴いていたいだけ。


「べつにいいけど…」


少し困った顔だけどOKをくれた。レンから楽譜を受け取り、楽譜を見ながらもレンの顔をじっと見つめる。
男らしい目。柔らかそうな唇。その凛々しい顔立ちにいつの間にか心臓が騒ぎだしていた。
なんで…?いままでこんなこと、なかったのに。


「どうしたの、…リン?」


視線に気付き、レンがこっちを振り向く。私はびくっと体を震わせた。


「…顔、赤いよ?大丈夫?」


熱でもあるんじゃない?レンの顔がだんだん近付いてくるにつれ、心臓がせわしなく高まる。
これ以上近付いたら、私…


「…っ、だ、大丈夫だからっ!!」


精一杯叫んで私は逃げるように部屋を出て行った。










君が異性に変わってゆく


もう、弟としてなんか見れない

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あきゅろす。
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