小説
大切なただの姉弟
「レーンっ♪」
声と同時に後ろからぎゅっと抱き着かれる。オレと同じ、黄色い髪に、白い大きなリボン。そしてほのかに香るみかんの香り。
「…あれ?嬉しくなかった?」
オレが何も反応しないと不安になる。
動物みたいに、可愛い。
「嬉しかったよ」
そう、嬉しかった。リンがいつもオレに会いに来てくれることが。いつもオレに触れてくれることが。
「だったらなんでなにも反応してくれないの?」
「…リンが、可愛いから反応に困った」
本当は素直に反応すればいいのだけれど、そうしたら、止まらなくなりそうだったから。
オレはもう、リンを"姉"なんかじゃなく、
"一人の女の子"としてしか見えていない。もし、リンがまだオレのことを"弟"として見ているなら、尚更。
顔を赤くさせたままだったリンをオレは抱きしめた。
大切なただの姉弟
好意を抱いては、いけない
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