(光の雨だ、)
「よお、イカしたボートじゃねぇか。」
「…乗せてやろうか、」
「乗れるのか?」
「一人乗りだが無理矢理乗せる」
「沈むぞ」
「構わないさ、
ああぁあ、やっぱり沈むな。」
「当然だろうが!あぁあ、アオギリ、溺れ方を教えてくれ!」
「綺麗な髪だな。濡れていると尚更だ」
「あああ糞!此処には馬鹿しかいねえのか!!」
「此処に居るのは私たちだけだろう、」
「…何だ、それは良いな」
「何処までも沈んでしまいたいな。何もかも、命よりも重いものは捨ててしまえばいい。私と君が居るのだから、この世界に足りない物なんてあるのだろうか?」
「…嗚呼、まるで全てを失った負け犬の遠吠えだな。足りないかは解らんが失ったものなら沢山ある。地位、部下、金、力、夢、」
「しかし私には君が居て、君には私が居る。」
「……嗚呼、やっぱり此処には馬鹿しかいないんだな。」
20100701
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