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(幸村)



「えへっ!
名前どーの♪」


『うっ!!

…やだ幸村お酒臭い!
ちょ!寄らないで!』

こりゃ、完璧に酔ってるな…
酒臭いし、ホントの正常な幸村はこんなデレデレしてないし。(寧ろ破廉恥とか言って寄ってこない)


「某、おなご大好きでござるー!!」


『幸村ー?どこ行ったのー?
帰っておいでー。』


幸村だってお年頃だし、別に偏見はしないけど。(いや、するかもしれないけど。

女の子大好きなら、
佐助みたいに女中の人引っかければ良いのに。


なんでコイツ、
部屋でのんびり酒も飲まずに寝ようとしてる私の所にきてんの?
酒飲んでんじゃん。しかもまだ飲む気じゃんか。



「名前殿名前殿〜
俺には好きな人が居るんでござるよ〜」


『ふーん。
お館様より好きなの?』


「えへ☆
お館様には内緒でござるよっ?」


なんだコイツ。
最早だれ?
えへ☆とか気持ち悪いんですけど。
てか何で私に報告するかな。
やめてほしいんですけど。
嫌味?なに嫌味かバカヤロー!!









あーあ。


…そっか。

好きな人、か。


なんかショックなんですけど。



だったらまだ、
佐助みたいに女中を取っ替え引っ替えみたいな遊びの方がましだよ…



うん…


ましだったなぁ…



幸村が好きな人、
どんな素敵な人なんだろう?



そんな素敵な人、

どんなに私ががんばったって敵わないだろうなぁ…




『…


…幸村どん。
某にも好きなおのこが居るのでござるよ。』



「えへ…へ…

………え…

う、嘘では無くて…か?」


『…


…本当でござる。

でも幸村には言わないでござるよ。

…だって…』



私だけ想ってて、何かヤダ。

何か…悔しい。

でも、私には強がるしか出来ないから


両手の拳をキュッと握り、
目の前に居る幸村と目をあわせる



『まぁ…ね、うん。

幸村は、幸村で頑張っt

―ちゅ


……?』


ファッツ…?

おお、政宗殿、これがほんと“ファッツ”デスカ?


じゃなくて、じゃなくて。

え、幻覚か?
私お酒飲んでない

ん?
あ、でも口がお酒の味する。


あれ?
いつの間に飲んでたんだ?


目の前に幸村居るし、
え、どんなだ?
近いだろ。なにしてんの離れろや。

どんな幻覚?
視覚と触覚と味覚がおかしいぞ私。


頭が混乱する私。
そんな私を見て、ぱぁっと明るい顔をする幸村。(なんで混乱する私をみて明るくなるんだっ!



「うむ!
接吻したのだから名前殿は好きな人が居ても某のものでござるよ〜♪」


『せっぷん?』


セップン?せっぷん?


せ、接吻!!!?



わ、ワケわかんない!!

しかし当の幸村はご機嫌が良いらしく、ニコニコしながら私の膝の上に頭を乗せてごろんと寝転がる


『え、幸村!?


ちょ!

…おい。寝るなよ!』


「えへ〜…」


『…はぁ…』



頬をツンツンとつつけば幸せそうに笑う幸村。



『…もう…』





この馬鹿が朝起きたとき、
今度は私が仕返しする番だ。




の力
(なっ!何するで御座るか名前殿っ…!)
(ん?昨日の仕返しの接吻)
(せっ…!接吻!?は、破廉恥っ…!)
(昨日は自分からしたくせに…)
(……!?//)







――――――――――
実はお酒に弱くて、
お酒が入ると滅茶滅茶に
キャラ崩壊する

そんな幸村が書きたかった。

滅茶滅茶になっているかは不明…




7/10 山田 弥生


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