さよなら世界
僕らがなんとか紡いできた
幸せとは言えない日々は
呆気なく崩れ落ちたよ。
絶望すら叫べない日々が
なに食わぬ顔で始まったよ。
空腹抱えて家族と軽口
笑いあった貧しい日々は
黒煙
炎の痛み
血肉の香り
涙の味に、包まれた。
渇きを携えさまよい歩き
死の予感に怯えもできない日々は
熱風
飛び散る粉塵
真っ黒な雨
さけびと耳鳴りに、包まれた。
ああ、さよなら
さよなら世界
僕らの日々を紡いできた
闇色の世界は
呆気なく幕を閉じたよ。
冥府につながる虚無の世界が
なに食わぬ顔で僕らを受け入れたよ。
ああ、さよなら
さよなら世界──
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