見上げた空のパラドックス 短歌詰め(三章完結頃に詠んだ) 音楽を止めたらきみの息の根も止まる気がして震えたままで 神様になれなかったきみたちのこと忘れないと言うだけタダでしょ 曇天の向こうに青があることと言葉の先にきみがいること 寒風に触れるたび思い出しただけ。きみの選んだ死と水のいろ もう一人いない気もする空白をなぞる指に青色の絵の具 冬が来る、夜が明ける、それなら今は言葉を吐いた淡い証明 「悲しいことがあったの?」 いいえ、ただ時が過ぎただけだと紡ぐ答えを 命だった青い光が言う 「これは、あなたのための追憶だった」 思い出す。遠ざかる。 「幸せな日だ。」 君のいない朝を迎えたこと 2020/11 ▲ ▼ [戻る] |