世界の終わりという名の日に

「だから……」

そして空に向かって叫び出した。

「だから、こんな世界終わっちまえーーー!」

彼の叫びは尚、続く。

「人が人を殺して、傷つけて、毎日のように誰かが泣いているなんてもううんざりだ!だからいっそのこと終わっちまえーー!」

その叫びは、空に虚しく響いていた。
ああ、これはきっと、この世界の悲鳴なんだ。変わりに先輩が、叫んでいるだけなんだ。

「そうだぁ!終わっちゃえーー!」

無意識だった。
私が、先輩と同じようにそう叫んでいたのは。
そんな私を見て先輩は、一瞬驚いたようだったが、また叫び出した。

「おう、そうだ!終わればいいんだ!さっさとこんな世界終わっちまえーーー!」

途中、犬を連れて通りかかったおじさんや、二人組の女の子達が空に向かい叫んでいる私と先輩を見て、嫌そうな顔をしていたが、気にせずに叫び続けた。

「ははははは。」

「あははははは。」

叫び終わった途端、先輩が笑い出した。
私もつられて笑う。
空は、まだ曇ったまま。
それと、少し肌寒くなってきた。

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