世界の終わりという名の日に

今、テレビのニュースでどこかの原子力発電所が爆発事故を起こしたという事を知らせていた。
ブラウン管で敷き詰められた画面からはその発電所らしき建造物から、白い煙がもうもうと立ち込められている様子が映し出されていた。
その事故が起こった場所は、私の住んでいる街からかなり遠い所にあるから、私はそれが怖いとも何とも思わなかった。
気分転換の散歩に出掛けようと軽い身仕度を済ませて外に出た。
空はどんよりと曇り空。
おまけに吹く風は生暖かく、これといって暑くもなく寒くもなかった。
行きたい所も行く所もないから、適当に街をさまよい歩く。

ゴウン、ゴウン。

無人のコインランドリーから機械が動く音がする。
洗濯石鹸の良い香りがした。
休日のくせにやけに人が少ないが、別に気にも止めない。

「よう。」

突然、後ろから声を掛けられた。
振り向くと、私がよく知っている人が立っていた。

「あっ、先輩。」

その人は高校の先輩だった。

「何してんですか?」

「見ての通り、散歩だよ。」

「はぁ。」

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