カナリヤ


「えーー!!アイツ学校辞めたのかよ!」

祐司が紘に詰め寄って尋ねる。

「ちょっと、苦しいじゃないの。リクが学校を辞めたのは事実よ。それにしても困ったわね〜。ボーカルが居なきゃあ、話にならないわ。」

祐司は、肩を落としてその場に座り込んだ。

「あー、どーしよう。ボーカルがいねぇとライブ出来ねぇじゃん!」

頭を抱える祐司に紘は、

「大丈夫よ!あたしがボーカルやってあげる〜♪」

ここで、ようやく航が口を開いた。

「変わりを探せば良いんじゃないのか?」

「それだァーーーーー!!」

祐司が立ち上がって、航を指差し叫んだ。その間、「ちょっと、あたしはぁ〜?」という紘の抗議が飛んだが、祐司は右から左に受け流したらしい。

「よしッ!じゃあ、俺変わり探して来るわ !」

そう言い残し祐司は、疾風の如く部室を出て行った。
残された男(一名オカマ)二人…。

「行動が早い奴だな。」

「ふん。」

ポツリと呟いた航を横目に紘は、ふてくされた表情を浮かべたまま、ベースのチューニングを始めた。

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あきゅろす。
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