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君の隣には


「てんぞー!おーいてんぞー!」

「はいはい、聞こえてるってば。どうしたの?」

「呑みに行こ」

はあ、また何か有ったのか。
酒嫌いの刹那から誘ってくる時は大体愚痴ばかり。
いいんだけどね、頼ってくれてるみたいだしさ。

「いいけど、程々にしてよ?」

「わーい!てんぞーありがと!積りに積もった話があるの!」

ホラ、やっぱりね。いいよ愚痴担当でも。
少しでも君に近付けるならそれでも構わない。



ーー、


「それでさあ、2週間の任務を終えて帰ってきてみれば他の女と住んでるし、私は一体何なのさあ」

「たった2週間も待てないような男要らないよ」

「なら、てんぞーなら待ってくれる?」

「え、うん待つよ、いくらでも」

ふーん。そっかあ。などとブツブツ言ってる。

「決めた!!」

「な、何をさ」

「私、てんぞーと付き合う!」

ぶはぁっ
勢い良くビールを吹いた。
掃除をしながら
「本気なの?」って。からかわれたら嫌だし。

「本気!あ、てんぞー好きな子とか居るかあ...」

「うん、まさに目の前に、ね」

「え、え、何処?!」

その天然どうにかしてほしい。
人の勇気を踏みにじっといて、さ。

「だから、刹那が好きなんだけど」

ぽかーん。開いた口が塞がらないとはこの事か。
え、と言う事はさっき私が悪ノリで言ったのって凄く失礼じゃんか。

「さっきはごめんね?もしてんぞーが良ければ付き合ってください...」

「こちらこそ」
ニッコリと笑う彼に見惚れる。


「あ、ところでさ、家見つかるまで住まわして」

「は?」

「さっき言ったじゃない!女が居て〜」

「わかったわかった、僕のお家おいで」

僕は待つよ、いくらでも。
君の帰って来る場所だからね。

隣ですーすーと寝息をたてる君のおでこに一つキスを落とす。

「大好きだよ」




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あきゅろす。
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