これからも、
最近あの人は遠い存在のような気がする。
毎日毎日、色んな女の子を連れて。
それでも、やっぱりあの人が好きで好きで。
何も言えない自分がいる。
自分の気持ちをぶつけたら、この関係が崩れてしまいそうで。
上忍待機所に足を運ぶ。
運がいいのか悪いのか、待機所にはあのカカシ1人だ。
相変わらずいかがわしい本を読んでいる。
「お疲れ様」
それだけ告げて適当に座る。
入れたばかりのお茶を啜り、冷静を装う。
「ね、刹那。俺にもお茶ちょーだいよ」
「え?あ、うん、今淹れる。」
はい、と渡す。
それだけでドキドキしてしまう自分。
末期だな、なんて自覚済み。
「どーしたのよ、刹那。元気ないね?」
「んや、考え事してただけだよ」
貴方が好きですなんて言える訳ない。
伝えてしまえば、きっとこの関係は終わる。
「何の考え事?俺には言えない?」
「言えないとゆーか、なんとゆーか、」
くくっ何それ、と笑うカカシ。
「簡単に言うと好きな人が居て、何の保証もない告白をするか、関係を壊さない為に何も言わないか」
そんな事を悩んでる。ココ最近ずっとだ。
「それ、刹那の話でしょ?」
ーー!!
「な、なんでそう思うのですか」
「俺の事、好きなんでしょ?」
図星をつかれて顔に熱がこもる。
早く反論しなきゃと思いつつ何も思い付かない。
「そ、そうだったら何よっ!」
「素直に嬉しいけど?」
「.....うぅ。」
「ちゃんと刹那の口から聞きたいな」
ど、どうしよう。
恥ずかしさとフラれる勇気はまだ出来ていない。
けどこの機会を除けばこの先ずっと言えない気がする。
「あ、あの。私、カカシの事すき、みたい」
言ってしまった、と思ったと同時に、抱き締められる。
「か、カカシ?」
「ん?なーに?」
「この状況はなんでしょうか」
「嬉しくて、つい。嫌なら離れるけど?」
口布の上からでもわかるくらいニヤニヤしてる。
どうしてこんなに意地悪するんだ。
「離れないって事はこのままでいいんだよネ?」
離れないと言うよりは恥ずかしくて動けない。
「俺も大好きなんだよネ、刹那の事」
「.....え?」
「だからこれからもよろしくね?」
「そ、そ、それって」
「くく。思ってる事だと思うよ?」
またかぁぁっと顔が熱くなる。
「刹那はほんと可愛いよね」
「そんな事っ!」
「まあまあ、そんな所も好きだよ?」
うぅ、とカカシの腕の中で涙ぐむ。
フラれるとばかり思っていたから嬉しくて。
カカシは口布を下ろし、頬を撫でながら唇を重ねる。
凄く優しいキス。とろけそうだ。
「刹那、愛してるよ」
(浮気しちゃやだよ?)
(これからは刹那だけだから、ネ?)
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