4 ばか。 また涙が出て来た。 でも今度は悲しみじゃない…嬉しさ、だ。 「…?」 これ以上、泣いてるのなんか知られたくないから、ロイの胸に顔を埋めた。 ほら、こうすれば顔を見られずにすむ。 「ロイのっ…ばか…」 「クスクス…はいはい、私はとんでもない大馬鹿者だよ」 ロイはそういうと、俺の頭をぽんぽんと優しく撫でた。 「エド?顔見せて?」 ズルイと思った。 こんなときに名前を呼ぶなんて。 こんなときに優しい声で言うなんて。 せっかく顔を隠したのに素直に顔をあげてしまうじゃないか。 ゆっくりと顔をあげる。 「エド…、好きだよ」 「…知ってる」 静かに触れ合う唇は涙の味でしょっぱい。 だけど、微かに甘い。 「俺も…愛してる」 ねえ、ロイ。 やっぱりロイには俺が必要だよ。 だって、俺にもロイが必要だから。 だから、ねえ、 一分一秒でも長く ソバ に居て? * end * [*前へ] [戻る] |