3 「ああ、いくら君がしんだとしても、私は後を追ってしぬことはしないし、いつまでも暗い気持ちで「もういいっ!!」 もう、いいよ…。 それ以上言えば、ロイのこと嫌いになっちゃう気がするから。 せめて、嫌いにはさせないで。 「…ひっく…もういい…っく…ごめんね…っおやすみ…っ」 鳴咽混ざりにロイにおやすみと告げ、彼に背を向けて布団を頭まですっぽり被せた。 ああ…もう終わりだ。 明日になったら、さよならしよう。 中央から去るさよならじゃなくて、恋人としてのサヨナラ。 早く夢、俺を迎えに来て。 そうすれば何も考えずに朝はやって来る。 「ただ、」 不意に声が降って来た。 「もし君がしんだ、としたら私の頭の中では人体錬成の構築式が駆け巡っているだろうな」 え、何? それは…どういう意味? 恐る恐る布団から顔を出す。 ふわりと笑うよく知った顔がそこにはあった。 「どうして?ロイは…ロイは俺がしんでも…」 「何を馬鹿なことを聞いてるんだ?確かにもしも君がしんだとしても、私は生き続ける。ただし、君の分まで生き続ける。恋人だって出来るかもしれない。ただし、私が愛したただ一人は君だ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |