[携帯モード] [URL送信]



「いい加減、ベットの中に入ったらどうだ?寒いだろう?」

暖をとっていない室内は吐いた息が白く濁るほどの寒さで、ベットの中が唯一暖かな場所なのだ。

「ああ、うん」

君はそう、曖昧な返事をするともう一度ちらりと窓の外を見て私のいるベットの中に潜った。よかった。どうやら私の今年最後の願いはちゃんと叶ったようだ。

しかし、それはよかったことなのだが、君がどうして窓の外を気にしていたのか、とても気になるのだ。ほんの些細なことでも、私にとってはとても大きなことで、決して束縛なんてするわけではないが、恋人として二人きりの時間に君が何を考えているのかを気にするのは当然ではないだろうか?まして、久々に二人きりで過ごす時間。叶うならば君には私のことだけを考えていてもらいたいものだ(再度言う、消して束縛ではないと!)。

「どうして外を眺めていたんだ?」

素直に、率直に。ダブルベットの中で向かい合う形になっている君の横顔に向けて問うてみた。変に遠回しに聞くよりも、ずっと早いからだ。

「別に、なんでもない」

返ってきたものは実にそっけない形のもので、できれば少しでいいから何か特別な理由をつけてもらいたかった。

「何もないのにじっと外を気にするのかい?君は」

もちろんな意見を言い、君の返事を待つ。本当の理由が知りたいんだ。


「別にって言ったじゃん!何もないよ」



[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!