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静かに窓際に寄り掛かる君を暖かなベットへ誘うまで、残り10分もない。時間は待ってくれない。


ベットサイドに置いてある黒くて丸い目覚まし時計はランプの光に照らされて23時50分を過ぎたところを教えてくれる。あと数分。新しい年の始まりだ。それなのに君は暗闇の広がる空へ心を寄せて、恋人である私をひとり、ベットの中におざなりにしている。

お互いに忙しくてなかなか会えないものだから、せめて一年の終わりと始めを一緒に迎えようと年末も変わらない量の仕事もいつも以上に早く終わらせて君を迎える準備をしていたのに。全く、君というのを、私はまだ理解しきれていないのだろうか(少なくとも、私は自分で君のことをよく理解していると自惚れているのだが)?

「エド」

愛しい君の名を呼ぶ。だけども君は振り返らずに相も変わらず窓の外に想いを馳せている。一体何があるのだろうか?

「エド」

もう一度君の名を呼ぶと君は華奢な(だけれど重いオートメイルと大罪を背負っている)肩は小さく揺れて私の方へ振り返ると「何?」と返事をした。



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あきゅろす。
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