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どうやら俺は、俺が思っている以上にロイのことが好きなようだ。苦い顔をしている俺に、
「言いたくないなら言わなくていいよ。ごめんね、迷惑かけて。じゃあね」
そう彼女は言って踵を返すと走り去ろうとした。
「待って!」
思わず言ってしまった。否、思わずじゃない。言わなくちゃいないんだ。俺は、ロイ・マスタングが好きなんだと。こんなにもロイことが好きだと気付かせてくれた彼女にありがとうと。本当に彼女を泣かせてしまった自分を馬鹿だと思う。こんな奴を好きになってくれて、ありがとう。
「俺の好きな人は、」
大切な、大切な親友殿。
「ロイ・マスタングなんだ」
本当に大好きな人。
「好きな奴が男だなんて、笑っちゃうよな。むしろ、気持ち悪いよな」
好きなようにしてくれて構わないよ。だって、好きなものは好きなのだから。彼女の涙に濡れた唇がゆっくりと開いた。さあ!嘲りの言葉を俺にくれ!


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あきゅろす。
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