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それでも、それでもやっぱり俺の好きな人はロイだけ。
「ごめん、俺、好きな人いるんだ。だから、付き合えない」
やっとのことで喉から出た言葉はひどく彼女を落ち込ませてしまうもので、彼女は赤くなった瞳を向けて小さく「ありがとう」と言った。ありがとう?何故?付き合うことを断ったのに(俺は本当に恋愛というものが分からないらしい)。
「一つだけ、聞いてもいいかな?」
掠れた声で彼女が問う。ああ、俺はこんなにかわいい彼女を泣かせてしまったんだ。しかも、こんなに一生懸命になっている子を。俺は本当に馬鹿だ。
それでも、俺が好きなのはロイ・マスタングなのだ。この先も、ずっと。
「うん、何?」
泣かせてしまったお詫び(と言ってはなんだが)に何でも答えようと思った。
「エドワード君の好きな人って、誰?」
前言撤回…と言いたいところだが、一度決めたことだ。男に二言はない!…のだが、彼の名前を出してもいいものか…。俺が男を好きだと気持ち悪がられても、俺はいいのだ(本当のことなのでどうしようもない)。ただ、俺が一番怖いのが、ロイと俺を繋ぐ親友関係が壊れてしまうことなのだ。彼と離れたくは、ない。



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