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俺の目の前にいるシンシア嬢はこの学園でも美人で可愛い(この二つを共有させていいのかと不思議に思うが)と有名だ。
色素の薄い金色のふわふわした長い髪。白く透き通った肌。ぷっくりとした赤い唇。どれも申し分ないくらい完璧で、誰が見ても「きれいだ」と思うに違いない。そんな彼女を泣かせてしまった(様に見える)訳には少々どうしようもない理由があるからだ。

「好きなんです。付き合ってもらえませんか?」
始めは何が何だか分からなかった。この子が、俺を好き?この俺を?思わず「誰を?」と言いかけてしまいそうになったが、目の前にいる彼女は真っすぐに俺を見つめている。「ああ、俺のことなんだ」と理解するのに、多分、普通の一般男子に比べて遅かった、と思う。そして、どう返事をしていいのか分からずに、今、彼女が泣き始めてしまったと言う状態に陥っているのだ。
一先ず、何と答えようか。俺は好きな人がいる。ロイ・マスタングだ。だけど、彼は勿論男。だから告白なんて以っての外で、シンシア嬢の様に自分の気持ちを素直にぶつけられない。



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あきゅろす。
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