朝の光が眩しい。カーテンの隙間から零れる光が、金色、漆黒の髪へと降り注いでいる。 「ん・・・。」 もぞもぞとベットの中で動き出す金色。まだ目を覚ましそうにない漆黒。 「大佐・・・?」 金色は目を覚ましたようで、隣で眠る漆黒を『大佐』と小さな声で呼んだ。それでも『大佐』は全く動じようとせず、寝息を立てている。 「まだ寝てんのかよ、」 それにしても、と金色は思う。−−何でこんなに整った顔、してんだよ。憎らしいほどに。 再び横になり漆黒の顔を見つめる。彼の考えていることはいつも分からない。急に俺を呼ぶだなんて、何が起きたのかと心配して弟を宿泊先へと残し、彼の自宅へと足を運んだというのに、彼は笑って玄関の扉を開けたのだ。全く、心配損だ。 あっけらかんとした金色の顔がおかしかったのか、漆黒は笑い始めた。 「んだよ、笑うために俺を呼んだのかよ。人が何かあったかと心配して来たのに。何もないなら帰る、アル残してきたし。」 ふて腐れたようにじゃあな、とくるりと後ろを向いて帰ろうとする金色の手首を漆黒はしっかり掴んで言った。 「いやいや、すまない。あまりに君の顔がおかしかったのでね。」 そう言うも、全く謝っている気のなさそうな笑みを浮かべ、さらに続ける。 「夕食を作ったのでね。君も一緒にどうかと思って。」 珍しい。実に珍しい。彼が料理をするなんて。いつもは外食で済ませているらしいのに。でも、彼の料理の味は知っている。前に何回か、中央に来たときにご馳走になった。彼の料理の腕は確かだ。何を食べてもおいしかった。 |