ジムの入口に寄り掛かって30分。デンジさんはずっと機械いじり。
「、デンジさん、」
「………ああ」
「…デンジ、さん。」
「………ああ」
ああ、集中しすぎて返事が適当になってる……そうだよね、デンジさん、私と話してるより機械いじってる方が楽しいよね、
「デンジさあん、暇です。」
「………ああ」
「…………」
あれ、もやもやしたものがある、なんだこれ。……嫉妬、ってやつかな、……これは、私が勝手にしてるんだ、デンジさんは別に、私がいなくてもいいんだろうなあ。
「…デンジさんが離れていくのは、嫌です。」
「………ああ」
「私、デンジさんのこと、……」
すきです、
……なんて言えない、恥ずかしくて、デンジさんに向かって、そんなこと言えない。踵を返してドアの取っ手を握りしめた。すきです、口の中で呟いて、ジムの出口のドアを開けた。……否、開けようと、した。
「で、んじさん……?」
「……どこ、行くんだよ。」
「…っ!」
耳元でデンジの低い声が響く。抱きしめられて顔に熱が集まった。
「ちょ、デンジさ、」
「…なまえ。」
「は、い?」
「俺は、おまえが好きだ。離れるなんて、有り得ない。」
なまえは?そう聞かれて言葉につまった。唸ると顎を掴まれて180度回転させられデンジさんと向き合った。
「なまえ、」
「……っ!デンジ、さん!!」
ぎゅうっとデンジさんに抱き着く。すきです、そう言えばデンジさんは抱きしめる力を強くして愛してると呟いた。
I need you.
(言うまでもない言葉。)
(だって、私たちは愛し合っているんだから)
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