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やさしく愛して(土沖/ほのぼの)
生まれてきてよかった、


貴方に逢えてよかった。


目が覚めて、一番に見るものが、


貴方の寝顔である幸せ。




「ん・・・・・」



暑い。

もう七月も終わりに差し掛かり、以前には少しは優しかった朝日も昼間と変わらなく強くなっている。

べったりとくっついたまま寝ていたので体中に汗をかいているが、それも嫌ではない。

ちょっとだけ体を動かして、土方さんの胸元に耳を当ててみると、とくとく、と規則正しい鼓動が聞こえる。

毎朝こんな風に土方さんの体の中にすっぽり入って、鼓動を聞くのがだいすき。

それに土方さんは眠っていてもぎゅっと抱きしめてくれるので、愛されてるんだなあ、って嬉しくなる。

好きで好きで、好きで好きでしょうがない人が私を愛してくれているなんて幸せで幸せで、いいのかなあ、なんて思ってしまうけど。

だからといって手放したくない、土方さんは誰にも渡す気はありません。

ずっとこうしていたいけど、土方さんの目が覚めればもっともっと楽しみなことがあるからがんばって起こすの。



「土方さーん・・・」

最初はゆっくり。

彼の目蓋はかたくて、いつもなかなか起きられない。


「土方さん、おきてくださいー」

「ひーじーかーたーさんっ」

肩に手を置いて軽くとんとん、とすると彼はようやく起きるの。


「・・・・・総司、おはよう・・・・・」


私の体をひゅっと引き付けて抱きしめて、ちゅっと口付けをしてくれる。


「・・・・・土方さん、おはようございます」


「・・・・・ん、」


そして土方さんはもう一回私に口付けをして、それから私も(恥ずかしいけど)がんばって口付けをして、土方さんは嬉しそうに笑って口付けをして・・・・・

そんな風に何回も何回も口付けをして抱きしめあって、ちょっぴりお腹もすいたころに私が二人分のご飯を取りに行く。

こんな風に土方さんに愛されてるのは、私だけ。



ねえ、土方さん。


私、貴方がだーいすき。


誰にだって渡したくないの。


だから、これからもずっとずっとずーっと、


やさしく愛して。




fin..

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