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そして一刻後、魔法は解ける(土沖拍手文)




「・・・・・!」

鈍い痛みに目が覚めた。
何時もの様にきちんと寝間着も着せられ、自室へと連れ帰られていた。
最も達した後にすぐ意識を手放してしまうため、記憶はないけれど。

痛みの原因を探し胸元に手を遣ると、乱暴な愛撫による傷が痛んだ。
鎖骨の少し下、確か噛み付かれたときに付いた歯形だ。
きちんと軟膏は塗ってあるものの、少し深手だったらしく鼓動に合わせて痛む。

「・・・・・痛いなぁ」

寝間着の前を肌蹴てみると他にも大小幾多もの傷跡があり、血を滲ませている物や鬱血している物が赤い印とともに咲いていた。

「・・・・・痛い」

貴方に一刻、傍に居てもらえた印。
抱きしめられた印。
身体を差し出し貴方を望む。
体中の痛みは、明日の晩への誘い。







..fin.

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