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深夜、魔法に罹る(土沖拍手文)

深夜、魔法にかかる

「・・・・・土方さん」

毎夜、私は魔法にかかる。
例え一刻程すれば解けると分かっていても。
例えどれほどの痛みを伴おうとも。
偽りの愛を。
優しい仮面を。

「・・・・・土方さん」

「何だ」

「抱いて、ください」

魔法の言葉は私から。
私から望んだ夜伽。
悲鳴を上げる心、軋む身体、止め処無い涙。
濃厚な一刻、耐え難いほどの辛さを引き連れて。

「・・・・・お前が、望んでんだ」

「・・・・・そう、です・・・・・っ」

乱暴でいい。
奴隷ですらいい。
どうか一刻、その瞳が私だけを映す様に。
その脳が私だけを一杯にする様に。

「いたい・・・・・っ痛い」

痛いのは身体か心か。
せめて一刻、魔法をかけて。
溶け合うみたいに、今だけ二人。






..fin.

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