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2012.VD【快新】


今日はバレンタイン


いつもより生徒が騒がしく、チョコ争奪戦をしたりで男子たちはいろんな意味で体も心もボロボロだ。



そんな中、早く学校が終わらないかとそわそわしている一人の少年が何回も時計を見ては目を逸らし、また時計を見るという繰り返しだ。


その少年の名前は工藤新一


高校生探偵で有名でどんな難事件でも解決をしてしまうという名探偵だ。
容姿は整っており、運動神経も抜群。
まるで絵に描いたような少年だ。

それになんと言っても新一の魅力的なのは眼だ。

何もかも見透かすような蒼

海よりも空よりも澄んだ蒼…


見つめられれば落とせない女はいないだろう
否、老若男女問わずにこの瞳に魅了されるだろう。




そんな新一はもちろん女子からチョコを渡せるが丁寧に断った。

理由は簡単

新一には恋人がいるからだ。


その名は黒羽快斗

新一とは別の高校に通う学生だが、快斗もまた新一と同じ有名なあの怪盗KIDの正体なのだ。
KIDとコナンという仮の姿で会ってからお互いに惹かれあい、めでたく恋人になった。


「(早く快斗に渡したいな…)」


鞄の隙間から覗く様にあるモノを確認すると、つい口元が緩んでしまう。

バレンタインチョコを快斗に渡したら喜んでくれるだろうか…

不安な気持ちはあるが、快斗が喜んでくれる姿が見れるならと新一は思うと幸せな気持ちになる。



「快斗君、喜んでくれるといいわね」


新一の様子を見て分かったのだろう
隣の席に座っている、幼馴染の毛利蘭も嬉しそうに微笑んだ。


「蘭、ありがとな。オメーのお蔭でチョコも作れたし…。感謝してるよ」


「今日はすごく素直なのね。これも快斗君のお蔭かしら?」


「か、快斗は関係ねーだろ///」


「新一赤くなってるわよー?」


「う、うっせ//!!」


すぐに蘭から逸らすとクスクスと笑いだす声が横から聞こえてくる。
自分がからかわれていると自覚しながら不機嫌になるが、嫌な気分はすぐにどっかに消えてしまう。


早く快斗に会いたくて…




時間が経つのを新一はただ待つだけ-------















「新一ー!!!」


全ての授業が終わり、素早く鞄を持ち教室を飛び出すように出て行くと、下駄箱付近に学生服姿の快斗がいた。

新一がどれだけ会いたかったのか


新一は素直に手を振る快斗に手を振ろうとしたが、上げた手をピタリと止めた。



快斗の片手にはいくつかの袋が握り締められていた。


推理する必要はない。

たくさんの女の子から貰ったのだろうと見ればすぐに分かる。




今までそわそわして、この時を今かと待っていた自分が悲しくなってしまう。



ズキズキと胸が痛み出す。



これは走ってきたからだろうか?

それとも快斗が他の人からチョコを貰ったから?




快斗を見るのが辛くなった新一は靴に履き替えると、何事もなかったように快斗の横を通り過ぎる。


「え?ちょ、新一??!」


慌てて新一の後を追い掛けるが歩くスピードは早くなるばかり
声を掛けても、新一は無言だ。



無言になるときは不機嫌な時



快斗は新一に気に障るような事をしたかと考え込むが、やはり思い当たることがない。



「なぁ、新一。俺何かしたか?せっかく会えたのにこのまま話さないなんて、嫌だよ…」


まるで主人に構ってもらえなくて耳を下げている子犬のようにも見える。
だが新一はどうしてもこのもやもやが消えなくて、イライラが増していく。


自分だって快斗と話さないのは嫌だ

でも今の快斗とは話がしたくない


こんなにも自分が女々しいとは思いもしなかった。
そんな時に快斗は新一の腕を引っ張り、人気のない路地裏へと連れ込む。

急な行動だったので新一はそのまま快斗に成すがまま

反抗出来たのは逃げられない様に壁に追いやられた時だった。



「なにすんだよ、かい…。んっ」


不意に唇を塞がれ、深く…深くへと快斗の舌は新一の口内へと侵入してくる。
唇が離れた際に銀色の糸が出来る。


「なんでそんなに不機嫌なんだ?」


「………別に」


「俺何か新一に気の障ることした?」


「………」



「新一」


黙り込む新一をまっすぐな目で見る快斗は、言わないと離さないと言う様に、ジッとただ見つめるだけだ。
それに観念した新一はボソリと呟いた。


「袋…」


「え?」


「それ、女子たちからもらったんだろ?チョコ…」



快斗も男だから欲しいに決まっている

自分と付き合っているとしても女子から貰えば誰だって嬉しい筈だ。

呆れられるだろうなと思い、その覚悟で言った新一だったが快斗はいつまでも返答がない。


不思議に思い、チラリと快斗に視線を移すとぷるぷると震え出していた。
何処か悪いのかと思い、窺うように快斗の顔を覗こうとした瞬間…


「本当に新一は可愛いね!!!!なんでそんな可愛いの??!本当に可愛すぎ!!」


…どうやら具合なんか悪くなかったみたいだった

新一を抱きしめ、可愛い可愛いの連呼だ。



「な、なんだよ!!は、離せって////」


抱きしめられているのが嬉しいと思ってしまう新一だが、一応あの袋がなんなのかは分からない。
離せと拒めば、快斗は離す気はなく、抱きしめるまま



「か、快斗…だから、離せって…」


「あの袋はバレンタインの材料だよ」


「ざ、材料??」


「新一は甘いの嫌いだろ?だから、新一の好きなレモンパイを帰って作ろうかなーと思って、迎えに来る前に買ってきた訳」


「でも袋はなんか買い物袋と違くないか…?」


「だってサプライズとして作ろうとしてたから当たり前だよ」



と、いう事は…



「お、俺の勘違い…?」


快斗も快斗で新一の事を想っていたのだった。
それを知った瞬間、恥ずかしさと羞恥が一気に溢れてくる。



「ーーーーーーっ////ご、ごめん!!快斗!!!お、俺ずっと女子から貰ったチョコだと思って…それで…」



「いいんだよ?それに妬いてたってことになるしねー。可愛い新一が見れたからよしとするね」


幸せそうに笑う快斗は新一の頭を撫でると、新一も恥ずかしそうに笑う。



「あ、あのな快斗!!こ、これ…バレンタインチョコ///」



「新一の手作り…?」


コクリと頷けば、快斗はガッツポーズをし、また新一を抱きしめる。



「ありがとね、新一。愛してる」



「俺も快斗の事、愛してるよ」



そしてまた
甘い甘いキスをし、幸せそうに笑いあった------



END


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*あとがき*
新一と快斗をバカップルにしてみたら大変な事になりましたね;;
なんだこのピンクオーラ全開な幸せオーラはあああああああああああああああ←

素直な新一さんも可愛くて天使だと思いますが、やはりツンがないとダメですね(・ω・)


でもそんな新一だろうが私は愛しますからね!!!
なんでも美味しく頂けますから!!!!!(`・ω・´)



ではでは!!
お読みになって下さり、ありがとうございました!!!!!!!!ノシノシ

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