+小説+
血塗れの堕天使【k新】
「や、やめてくれ…」
コロス…
「い、いやだ…死にたくない……」
ナニヲイッテルノ?
「あ、悪魔だ……」
オマエラニイワレタクナイ
「た、助けてくれ…」
アァ…ミミザワリ
「や、やめ……!?ぎゃああぁぁあぁぁあぁあ」
生温かい雫が頬を染めていく
よく見れば白いスーツが今は真っ赤に染まり、面影がない
アァ…キタナイ。
キタナイキタナイキタナイキタナイキタナイキタナイキタナイキタナイキタナイキタナイキタナイ
悲痛の叫び声が耳に残り、動かないその遺体を蹴り飛ばす。
呆気なくその遺体はグシャリと嫌な音が部屋に響き渡り、静寂が訪れる。
命乞いをしてきた動かない男の遺体を見て、笑いがこみ上げてくる。
もう全て奪ってやったのだから
「貴方達の命が欲しいだけですよ。」
何も言わない遺体を思いっきり踏み潰せば、骨と肉の嫌な音が聞こえる。
ゴポゴポと溢れてくる血を見て、楽しさが増す。
床一面に赤い、紅い血の海
何体かの遺体がゴロゴロと置いてあり、今立っているのは血塗れになった奇術師だけ
でもなんでだろう…
心が満たない…
こんなに生温かい雫を浴びていても、身体が冷たい…
何もかも空虚で自分が息をしているのかも分からない
「……――して…」
握っていた拳銃が床に落ちると共に、蒼紫の瞳からのキレイな雫が流れ出す
自分を救える人はもうここにはいない
「なんで死んだのですか…」
美しい蒼の瞳を持った大切な人は、この世にいない。
声も…
笑顔も…
温もりも…
美しい蒼い瞳も…
もう見ることはない
最後に覚えているのは、大切な人から流れる紅い赤い血と瞳から流れる涙。
蒼い眼は輝きを失い、人形のように動かなくなった。
「何故貴方が死ななくてはならなかったのですか?」
大切な人を殺した人間が憎かった。
それに関わる人間も憎かった
何もかもが憎かった
でも………
一番憎かったのは自分自身
…でもこれで全てが終わり
全て終わったのだ
何もかも終わったのだ
「漸く…終わりましたよ……?」
自然と涙が零れ落ちていき、赤く染まった汚れが涙と共に流れ落ちていく
貴方を苦しめた組織は壊滅しました
貴方を殺した組織は全員殺しました
このまま貴方の所へ逝きたい…
でも貴方に会う顔がありません
何故なら…
「私はもう…貴方の嫌いな犯罪者になってしまいましたから……」
もう何が何だか分からなかった。
背中を壁に預け、ズルズルと力無く座り込む
『なんかさ、天使みたいだな』
「アハハハ…」
笑いがこみ上げてくる
『真っ白で…穢れを知らない怪盗だな』
なんでこんなに笑いがこみ上げてくるのだろう
笑いが止まらない
『―――快斗』
どうして…?
涙が止まらない
心が空虚だ
虚しさだけが残る
アイタイ…
会いたい……
どんなに名探偵を殺した奴を殺ったって、名探偵は戻ってこない
もう名探偵に会う事はないんだ
『俺はな、KID…。否、快斗。俺はただオメーと一緒にいるだけでいいんだ』
「っ…」
脳裏に思い浮かぶのは名探偵と他愛のない会話…
『KIDは確かに犯罪者だと思う。だけど…罪悪感を感じてるだけで俺はいいと思う。』
この言葉でいつも救われていた…
『周りがどう言われようが、俺はオメーの味方だ。ずっと傍にいるよ…』
『な?―――快斗』
「し、んい…ち……」
傍にいてくれると言ってくれた大切な人はこの世にもういない
愛おしい名前を呼んだとしても、自分の事を呼ぶ声はもう聞けない
会いたいのに…
触れたいのに…
貴方は何処にもいない
虚しさだけが残る
「もし、私が違う選択をしていたら…、貴方と同じ世界に逝けましたか?」
問いても返ってくる声は自分の声だけ
あぁ…
この世界は全て空虚だ
私を分かってくれる人なんかこの世界にいない
どう生きて行けばいいのか分からない
ただ…
ただ貴方に………
――――会いたい
END
――――――――――――――――――――――
+あとがき+
KIDさんが病んじゃってる話が書きたかっただけなんですが……
や、病みすぎた!!Σ(=Δ=；)
否、病んでるKIDさんを書けてニヤニヤしている私なんですけど…←
新一が死んじゃったら絶対に病むと思うんですよね、KIDさん(´・ω・｀)
本当は素敵な子何ですからね??!
KIDさん、めっちゃ素敵な子何ですからね!!!?
こんなに病んでるのは、私が書いたからです!!!←
どうしてもk新にするとシリアスの死ネタになっちゃいます…
今度は頑張って甘々にしよう……
ではでは!!
お読みなって下さり、ありがとうございました!!!!!!!ノシノシ
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