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タイムカプセル【山獄】
「タイムカプセル??」

いつも通りに学校が終わった後に獄寺の家でダラダラと山本と過ごしていたら急に「タイムカプセルを埋めようぜっ!!」と目をキラキラと輝きだしながら抱きついてきた。

「今かよ。つか、めんどくせー」

「そんな事言うなって!!な!やろうぜー」

スリスリとまるで犬、いや甘える犬みたいに抱きついてくる。
何かを考えついたらすぐに行動をしたがる山本に呆れる。
嫌だと言っても獄寺が折れてしまうから否定しても無駄だ。

「しゃーねーな……」

「よっしゃぁぁぁぁ!!!!獄寺大好き!!」

「くっつくな!!!!」

スリスリと獄寺抱き付く山本に嫌がる素振りを見せるが内心では少し嬉しかった。
……まぁ本人には言わないつもりだが。

「んじゃ、十年後の俺達に宛てるんだぜ!!!あ、もちろん相手にな!!!!!俺は獄寺に、獄寺は俺にな!!!」

「自分宛てでいいじゃねーかよ…」

「ダメ!絶対!!!」

「麻薬じゃねーよ…、つかネタを使うな!!!」

「お互い正直に書くんだぜ!!絶対な!絶対!!!!!!」

「分かったよ…」

こうしてお互いに手紙を書き、自分達の大切な物を箱に入れ思い出のある木の真下に埋めた。
手紙と大切な物は袋に入れてたため何を入れたのかはお互いに分からない。
自分は素直じゃないからこの手紙だけには正直になろうと獄寺は切なそうに木を眺めて後にした。

















時は過ぎ、あれから十年が経った。
獄寺は右腕となり色々な場所に転々と移動し山本と会うことが少なくなった。

山本は久々の休みを貰い日本でゆっくりと故郷を観光をしていた。

「あ、そういや今日は…」

ふと思い出し、早歩きである場所に向かった。
その場所は…

「おー、流石に十年経つと大きくなるものなのなー。」

懐かしむ表情をする山本はその大きな木に手を置きポンポンとたたく。


そう、今日は十年前にタイムカプセルを埋めた日であった。
それを思い出た山本は埋めた場所に来たのだ。

「一緒に掘る約束だったけど、あいつイタリアでツナのサポートしてるんだっけな…。」

右腕となった獄寺は休む事もなく毎日が仕事だった。
右腕がボスから離れるわけにもいかない。

一緒に掘りたかったが無理だろう…

深い溜め息をし、タイムカプセルを埋めた所を集中的に一人で掘り始めたのだった。

カンッとなにかとぶつかる音がし、スコップを置き手で少しずつ周りの土を掘っていくと十年前に埋めた缶が現れた。

ゆっくりとそれを取り出し、土を払っていく。

「すげーな、なんか歴史を感じるな…」

これを持ってアジトに帰ろう…
だが獄寺が何を入れたのかが知りたくなり、その場から動けなかった。

缶をジッとウズウズしながら誘惑と戦う。
だがその誘惑には勝てず、地面に置きそっと蓋を開けたのだ。


蓋を開けてみると、十年前に入れた野球ボールと獄寺に上げようと思っていた指輪と獄寺宛の手紙。

そして、獄寺の入れた物は小さなピアノのストラップにリストバンド…?それと手紙が入っていた。

「リストバンドって獄寺の大切な奴なのか…?……手紙、見てもいいよな……」

周りをキョロキョロと辺りを見回し、少し汚れた手紙を叩き手紙を開けてみる。

『十年後の野球馬鹿へ』
「……初っ端から野球馬鹿って…。まぁ獄寺らしいけどさー」

少し複雑な気持ちになりながらも、山本は手紙を読むことに再開した。

『相変わらず馬鹿なのか?十代目に迷惑かけてねーだろうな…?まぁ十代目に迷惑をかけていたら俺が容赦しねーけどな』
「…俺めっちゃくちゃ信用されてないよな…。つか獄寺、十代目ばっか……」

先を少し読んでみてもツナの事ばかり書いてあった。
山本は泣きそうになり肩を落胆する。
これ以上読んだら立ち直れなさそうなくらいだ。

読むのを止めようと畳もうとしたが手紙がもう一枚入っていた。

「…………これもツナの事だろうな」

気になる物は気になる。
もう一枚の手紙をそーっと覗き込むように見ると、その内容を見た瞬間。山本は目を見開いた。








手紙を読み終わり、口を手を当て顔が暑くなっていた。
すると人の気配を感じ後ろを見てみると、いつもきっちりとした服装だが少し乱れている獄寺の姿があった。

獄寺も山本を見て驚いた様子でこちらを見ていた。

「や、山本…??お前なんでこんな所にいるんだ?……って覚えてたからここにいるんだよな。やっぱ覚えていたか、お前は」

「ご、獄寺の方こそなんでここに???!つかイタリアにいたんじゃ?!」

「あぁ、イタリアにいたけど早く終わらせてきた。そんで少し時間が空いてたからこっちに戻ってきただけだ。」

「獄寺…覚えててくれたんだな……」

「か、勘違いするなよ!!?たまたま覚えてただけだっ!!!!……って、てめぇ勝手に掘った際に手紙まで読みやがったな!!!!!?」

手紙を持っている山本に気付き、顔を真っ赤にし怒鳴りつける。
すると山本は獄寺の元へ行き抱き付いた。

なにが起きたのか分からない獄寺は硬直し、数秒動かなかった。

「や、山本///!!は、離しやがれっ///!!!」

押し返そうとした獄寺だが山本はギュッと強く抱き締め、耳元に囁いた。

「好きだ…」

「っ/////?!」

「十年前からずっと…獄寺の事が好きだ…。今も変わらない程、獄寺の事が好き。……いや、十年前からもっと好き」

「や、ま……もと…」

「獄寺は…?獄寺は……俺の事好き?」

スッと少し離れ真っ正面で獄寺を見つめる。
顔が真っ赤な獄寺はすぐに目を逸らすがまたチラッと山本を見る。

「お、れは……」

「うん…」

「ーーーーっ////……き……ょ……///」

「はっきり言ってくれないと俺分からないのな」

「ーーーっ///!!だ、だからっ!!!」

耳まで真っ赤な状態の獄寺は山本の胸元のシャツを掴み、ポツリポツリと耳元で答えた。


「す、き……だよっ…///!!馬鹿山本っ///!!」

今を表現をするなら茹で蛸状態だ。
山本の顔を見てられないのか、そのまま顔を上げずしがみついたままだ。

そんな可愛い行動する獄寺を見て微笑ましくなる。

「うん、ありがとな。獄寺。俺、今めちゃくちゃ幸せ」

「…………そーかょ…///」

ボソボソと小さな声で返事をしてくれる獄寺が可愛いと素直に思える。
やっとこの想いが伝わった…

幸せいっぱいな獄寺と山本はこの時間を大切にとずっと抱き合っていた……




END

--------------------------------------------+あとがき+
甘々なお話いかがでした??
いや〜、十年後の山獄も美味しいですよね〜(〃∀〃)
幼少期もいけますぞ!!←


本当はツナも入れて並森トリオにしようかと思ったんですけど、ちょっとツナには退場させてもらいました(笑)
ツナ獄も書きたいですね……

それか雲獄もいいですよね!!!!
もう獄寺受けならなんでもいけますw


話が逸れてしまいましたね( ̄∀ ̄;)

ではでは!!
お読みになって下さりありがとうございました!!!!!ノシノシ

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あきゅろす。
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