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私がオロオロしていたら、ちょうどいいところに男の子が歩いてきた。
たしかあの制服は銀魂高校だったと思う。
ナイスタイミングッ!!
しかも…よく見ると格好良いじゃないか!
でも目つき悪くね?
瞳孔開きっぱなしだし。
少し怖い…かも。
けど格好良いから許せる!
これは声をかけるしかない。
がんばれ私、負けるな私。
「あっ…もしかして銀魂高校の人だったりしますか!?」
「うげ」
え、今この人「うげ」って言った!?しかも凄く嫌そうな顔で。
まあ、いいや。
私は気にしない。
だって人間は他人に迷惑をかけて一人前になるのだから!
By.桜井
「実は…海より深〜いワケがあって、今日から銀魂高校に転校らしいんです」
「てことは、何年?」
「今年で3年生」
「じゃあタメか。俺は土方十四郎。よろしくな。えっと…」
「桜井美輝です。好きなように呼んでね土方くん」
「おう」
見かけによらず良い人じゃないか土方くん!
「それで、少し聞きたいことがあるんだけど」
「あぁ。銀魂高校の場所だろ?この道を真っ直ぐ行って…」
「いや、そうじゃなくてさ…沖田っていう人の家ってどこか分かる?」
「は?沖田?」
「うん、沖田」
「沖田ってあの沖田?」
「た…多分あの沖田?」
なぜか凄く驚いてさらに瞳孔を開いている彼。
もしかして変な人なのかな…沖田って人。
「まぁいいか。俺も今ちょうど沖田んち行こうと思ってたとこだし」
「って…友達!?」
「一応な」
付いて来いとつけたしてから一歩前を歩いてく土方くん。
でも普通についていけるスピードで、きっとあたしに合わせてくれている。
これは土方くんなりの優しさなんだと思った。
初っ端から良い人に会えて良かったなぁ。
そんなことを考えながら歩いていた。
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