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「総悟くーん」
「何でィ」
「教科書、見せて〜」
「……嫌でさァ」
「な、なんで!?」
すると総悟くんは少しムスッとした顔つきになり、私の方を向きながら言った。
「俺より先に土方コノヤローに頼んだだろィ?そうゆうの…ムカつきまさァ」
「んなっ」
私がそんなことで、と内心驚いていると隣に黒いオーラが現れた。
そう、その正体はドSモードの総悟くんである。
「そんなに見せてほしいんなら『教科書を見せてくださいお願いしますご主人様』って言いなせェ」
ニヤリと微笑む顔がより一層怖さを増している。
あぁ…本当に怖い。
数秒前、総悟くんのことをちょっとでも可愛いと思ってしまった純粋な私の気持ちを返してください!
…でも、教科書を見せてもらうためには言わなきゃダメだよね。
仕方ない――…
「教科書を見せてください。お願いしますご主人様」
早口&棒読みで言った。
「よろしい」
ニコッと満面の笑み。
く…悔しいけど、このキラースマイルには適わない!
何でも許しちゃいそう…。
それから机を近付けて教科書を見せてくれると思ったら、微動だにせず教科書を眺めている。
え…見せてくれないの?
私がどうしたらいいか分からず、軽くパニックになっていると総悟くんはまたニヤリと微笑んだ。
「ちなみに俺は動きやせん。見えないんだったら自分で動きなせェ」
「…え?あ、うん」
「ちなみに机近付けちゃダメですぜ?今日は蒸し暑いからねィ。首だけ伸ばして見ろ」
「………はあ!?」
「ご主人様にそんな口きいて良いと思ってんですかィ?」
誰がご主人様だよッ!
…なんて突っ込む勇気なんてあるわけもなく、仕方ないので一瞬ためらってから上半身を横に仰け反らして教科書を眺めた。
「うぐぐ……っ」
「ははっ 良い表情でさァ」
「く…首がつりそう!」
「傑作でさァ」
「………」
―――…
お母様 お父様
私この先、
大丈夫なのでしょうか?
お先…真っ暗です。
隣の席
(青春の1ページ的な)
To be continued.091001
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