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先生の話を聞いていると、いつの間にかSHRは終了していて今は一限の国語らしい。
それよりも転校初日なのに…もう少し色んな説明はないものなのかと思うと、ちょっとムカついてきた。
だってさ――…
私、教科書ないよ?
致命的じゃない?
「せんせー」
私は手を挙げて授業を中断させた。
「なんだ美輝〜、俺が格好良すぎて授業に集中できませんだと?そりゃ大変だ」
「そんなこと言ってません」
「…で、本題は?」
「教科書ないんですけど」
「あぁそれね。昼休みに渡すからあとで国語準備室来て」
「…え、じゃあ今は?」
「そうだな…仕方ねぇから近くの奴にでも見せてもらっといて」
「はーい」
――…近くの人って、
総悟くん
と
土方くん
…の2人くらい。
どっちに見せてもらおう?
実際教科書見せてくれるならどっちでもいいんだけど、総悟くんに借りを作ると何だか後が怖いから…土方くんに見せてもらおうかな!
何だかんだ優しいしね。
てか…先生がSHRの時にでも渡してくれれば良かったんだよ!
昼休みに渡すなんて普通に考えて遅すぎるよ!!
先生への不満を高ぶらせながらも、授業に集中している土方くんに声をかけた。
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