6
立ち上がった総悟くんはジッと私の方を見ている。
とても真剣な表情。
一体何を言われるんだろう。
やばい緊張してき…
「M、Sどっちですかィ?」
「は?」
そう言う総悟くんは少し楽しんでいるように見える。
あまりに唐突な質問に私が固まっていると、総悟くんはさらに追い討ちをかけるように言った。
「マゾなのかサドなのか。どっちなんでィ?」
今日初めて会ったクラスメート達の目の前で自分がMかSか答えろだなんて…そんな恥ずかしいことできるかバカヤロォォォ!!!
え…ちょっとタイム。みんなの暖かい眼差しが痛いんですけど。お願いだからやめて!300円あげるから!!
し、仕方ない。
こーなったら……
「ノーマルです」
「いや、Mだろィ?」
「いや、ノーマルです」
「Mがいいな〜」
「超ノーマルです」
「なんでィ、つまんね」
はっはっはっはっ!
これぞノーマル作戦!
私が軽く干渉に浸っていると「いいじゃねぇか」と先生が横入りしてきた。
「MにもSにも成りうるN。場面で切り替えられるなんて最高だろコノヤロー」
「たしかにねィ。そう考えると良いかもしんねーや。協調のしがいがありやす」
そして、どんどんディープな話になっていく2人の会話。
「ちょ、2人して何の話してるんですか!」
慌ててそう聞くと、
「「…ん?趣味の話」」
と声を揃えて言われた。
ふ、ふざけるなァァ!!!
[*back][next#]
無料HPエムペ!