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「着きやしたぜ」
「ハァハァ…疲れたぁ…」
少し走っただけなのにこの息切れ。
体力には自信があるのに。
…緊張していたからかな。
なんてねっ!
「じゃあ俺は先に入るけど、美輝は銀八に呼ばれるまでここで待ってろィ」
「うん、わかった」
――ガラッ
『すいやせーん』
『堂々と遅刻かコノヤロー』
『転校生をここまで連れてきてやったんでさァ』
『まじでかっ』
そんな話し声が途切れ途切れに聞こえた。
――3年Z組
ここが私の新しいクラスになるのかぁ。
銀八って先生のことだよね。
どんな人なんだろう…?
先生もクラスの皆も優しくて親しみやすいと良いなぁ。
そんなことを考えているとガラッと教室のドアが開いて、眼鏡をかけ白衣を着た銀髪天然パーマの人(たぶん先生)が現れた。
「おー入って入って」
「し、失礼しまーす」
教室に入るとクラス中の視線が一気に集まって、なにかのドラマのように各自騒ぎ出した。
『すっげー美人!』
『やばくね!可愛すぎ!』
『俺と付き合ってー!』
『私とコンビ組むアルー!』
『仕事くれ!』
『い、いや、ダメだ!俺にはお妙さんというものがいるんだ…』
『ミントーーーン!!』
などと歓声があがった。
えっ…恥ずかしいんだけど!てゆーか最後の方とか意味分かんないし。
でも、とりあえず…
第一印象はOKかな?
一通り歓声が落ち着いたのを見計らって、先生が話し出した。
「えー、桜井美輝ちゃんだ。みんな仲良くするよーに!じゃあ適当に自己紹介しちゃって」
そう振られたので焦りながらも答えた。
「はい。えっと、親の都合で集英高校から転校してきました。3年という大変な時期ですが、仲良くしてもらえると嬉しいです。皆さんよろしく「堅苦しい」お願……え?」
横から先生が少しキレ気味に口を挟んできた。
「そんな転校生お決まりの台詞なんてもう聞き飽きたんだよ!」
「えー…だったらどうすれば良いんですか?」
すると先生はニヤリと不気味に微笑んで、
「何でも聞いちゃおう!美輝の大質問ターイムッ!」
「はあっ?」
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