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家を出発して2、3分。
「ねぇねぇ」
私は平然と隣を歩く総悟くんに尋ねた。
「何ですかィ?」
「学校までどのくらい?」
「あぁ。んー…」
返答に少し困っている様子の総悟くん。
「…?」
すると目の前に指を差し、
「ここでさァ」
そう言った。
「えぇっ!?」
前を見ると、白い大きな建物つまり学校が建っている。
しかも校門のところには『銀魂高校』と書かれている。
「家から徒歩5分で学校に着くんでさァ」
「す、凄い」
「おかげで遅刻なんて数えるくらいで済んでます」
「この近さでも遅刻したことあるんだ…」
「うるせー黙れバーカ」
「んなっ!バカって言う方がバカなんだよバーカ」
そんなバカ丸出しな会話をしながら2人は学校へ入って行った。
すでに登校時間は過ぎたのか生徒は見当たらない。
キーンコーン
カーンコーン
「あっ…やべーや、SHR」
「もしかして始まった!?」
「こりゃ遅刻かもな」
「うわ最悪!」
「仕方ねぇ…走るか」
そう言って総悟くんは私の手を握りいきなり走り出した。
「…えっ」
「このまま遅刻なんて嫌だろィ?」
「やだっ」
「なら走れ!」
「う、うん!」
走っているせいなのか緊張しているせいなのか分からないけど、
繋いだ手がだんだん熱くなっていくのが分かる。
(恥ずかしい…)
だけど、
"特別"って感じがして
ちょっと嬉しかった。
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