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「あら?」
リビングに着くと20歳前半くらいの女性がソファに座っていた。
見惚れてしまうほどの美人。
ここにいるってことは…この人が王子のお姉ちゃんか!
これが俗に言う遺伝だね。
何この美形姉弟。
同じ人間ですか?的な。
「もしかして美輝ちゃん?」
「あ、はい!桜井美輝です」
「私は沖田ミツバ。こっちは弟の総悟。よろしくね」
「よろしくでさァ」
(総悟っていうんだ)
「こっちこそよろしくです」
少し間を置いてから、
「…姉上。美輝のこと詳しく説明してくれませんか?」
総悟くんが謙虚に言った。
「そうね」とミツバさんがそれに答えて立ち上がり、私のすぐ隣にきて話始めた。
「あのね、美輝ちゃん」
「はい」
「まだ小さい頃、私たちは近所に住んでいてよく遊んでいたのよ」
「そーなんですか!?」
「えぇ」
にこりと微笑むミツバさんを見ると何だか癒された。
「だけどね」
ミツバさんが続けて話した。
「私たちの両親が事故で亡くなってしまって、親戚の家に引っ越したの」
「そんな…」
「でも私が成人したら2人で暮らそうって約束してね、今こうして生活してるのよ。ちなみにここは両親の家よ。売らずに残しておいたの」
「そうだったんですか」
なんだか素敵な姉弟愛に心打たれてしまった。
落ち着いたところで本題…
「じゃあ何で私はこの家に?」
「それはー…昔のなごりってやつかな?ね、総ちゃん」
――総ちゃん!?
「おばさんは仕事で遠出するとき、いつも母さんに美輝を預けていったんでさァ」
「そう。だから今回もって」
「お、お母さん…」
思わず苦笑いしてしまう。
でも、ちゃんと謝らなきゃ。
「母の身勝手な行動で…本当にすみません!」
「そんな!謝らないで。逆にまた美輝ちゃんに会えて嬉しいんだから」
――なんて優しいんだろう
「お…僕も嬉しいです」
「総ちゃんもそう言っているし、今日から美輝ちゃんも私たちの家族よ」
ミツバさんの言葉がとても暖かく優しくて、凄く嬉しかった。
「め…迷惑かけまくると思いますがこれから宜しくお願いします!」
「ようこそ 沖田家へ」
感動のあまり涙がでそうになった。
出逢いの朝
(優しい姉と、王子な弟)
To be continued. 090728
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