[携帯モード] [URL送信]





「なんだ土方さんかよ」


「なんだとはなんだ」


「…ん?」



ふと気付いたように、王子のような彼がいきなりこっちを見た。

私もまじまじと彼を見ていたので、自然と目が合ってしまう。

吸い込まれちゃいそうに大きくクリクリとした綺麗な栗色の瞳と。



見れば見るほど整った顔。

女の私からしても羨ましく思ってしまうほどの美形。



…うん 超タイプだわ。



もうヤバイ。



どのくらいヤバイかって言うと、超ヤバイ。





私が内心そんなことを考えているなんて知るはずもなく、彼はキョトンとした顔で普通に訊いてきた。



「誰ですかィ?」



しかも単刀直入に。



「桜井っていいます」


「もしかして…美輝?」


「え… 何で知ってるの」


(私、有名だったり!?)


「姉上が言ってやした」


「お姉ちゃんいるんだ!」



王子に見えた彼は…ってゆーか、もう王子でいいや。


その王子は「まあねィ」と頷き、少し考えてから、



「じゃあ…とりあえず家にあがってくだせェ」



と言った。



「いいの!?」


「姉上に会わせまさァ」



(やった!)



私は心の中で小さくガッツポーズをした。




そして案内されるまま沖田家へと入っていった。





一人の男、土方を残して。





「え…ちょっ待てよ!」


「あ、忘れてたやした。土方さんは先に学校行っててくだせェ」


「(私も忘れてた…)ごめんね土方くん。ありがとう!」





―――バタンッ





「チッ… 言われなくても勝手に行くっつーの」




それより美輝って奴。


一体、何者だ…?


総悟が学校来たら問い詰めてやろう。




そう心に決めて歩き出した。






[*back][next#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!