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朝食にて1





「「いただきます」」

2人で礼儀正しく手をあわせた。

「あ、うめぇ」

「マジ?よかった」

たとえお世辞でも、おいしいと言ってもらえれば作った甲斐がある。

黙々と食べていたら、ふと青年が手をとめ顔を上げた。


「気になってたんだが、俺とあんたは本当に初対面だよな?」

「?…そりゃそうでしょ。私はキミのことマンガで知ってたけど…」

やっぱりまだ別世界だということが信じられないのか?

「いや、最初に見たときに知ってる気がしたんだ。あり得ねぇってのは分かってるよ」

「似た人でもいたのかもね」

「似た人、か…」

異世界のそっくりさんって、ちょっと複雑な気分だけど。

「そういや俺、あんたの名前聞いてない」


あ。

「ごめんすっかり忘れてた…。私の名前はミョウジナマエ。好きに呼んでいいよ」

「ミョウジ…?」

「?そうだけど。変?別に珍しくも無いと思うけど…」

「いや、そうだな、なんでもねぇ。じゃあナマエって呼ぶわ」


呼び捨てかい。別にいいけど。

「じゃあ私も隼人って呼ばせてもらうから。獄寺って名前はちょっと珍しいし…」

ずっとキミとか獄寺青年呼ばわりはあんまりだしね。

「……ああ。それより、いろいろ聞いてもいいか?お前ばっかり俺のこと知ってんのはなんか気にくわねぇっつうか、気持ち悪ィっつうか…それにしばらくここに居させてもらうし…」

確かに、初対面の人間が自分のこといろいろ知ってるのは気持ち悪いよね。
それに一緒に住む相手のことが何も分からないのも気持ち悪いだろう。いろいろ不都合も生じるし。

「そうだね。まあ、なんでも聞いてよ」

「悪ィな、答えられる範囲でいいから」

その言葉に少し驚く。こういう配慮ができるのは、育ちがいいせいなのか、それとも彼自身の家庭環境が複雑だったせいなのか。

ひとつ頷いて、どうぞと話を促した。








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あきゅろす。
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