あなたの真意を 考えといて。 約一年前、ナマエさんからプロポーズを受け、そう言われた日から、実際に私は本気で考えました。 結婚するとかしないとかそういうことではなく、なぜナマエさんがこんなにも突然、結婚しようなんてことを言ってきたのか。それも、この私に。 だって、あのナマエさんが何の考えもなく、結婚なんて人生を左右するような決断、するとは思えませんでしたし、なぜナマエさんが結婚したいのかわかりませんでしたから。 なぜなら、私は知っていたからです。 ナマエさんとツナさんが、いわゆる恋人同士であることを。 本人たちから直接聞いたわけではありませんでしたが、私は確信していました。 世間一般には少しアブノーマルな関係ですから、やはり私も驚きましたが、私はそういったことに対してあまり偏見などはなかったので、受け入れられないわけではありませんでした。それでもショックを受けてしまったのは、私がツナさんのことが好きだったからで、つまりは失恋したからです。 でも相手があのナマエさんだったから、妙に納得してしまったのも事実です。 ナマエさんはまさに理想の男性と言った感じなのですが、それ以前にとても綺麗なんです。それに、ナマエさんとツナさんは幼なじみで、以前から2人の間には2人にしか理解し得ないような何かがあるように思えていました。 だからでしょうか。今でも私はツナさんのことが好きなのに、ツナさんを簡単に諦めることができたんです。 時々、ナマエさんが酷く優しい瞳でツナさんを見るのも、ツナさんがとても切ない表情をするのも、2人がそういう関係であると気づけば、何も不思議なことはなかったんです。 そう。だから、結婚する必要なんてないんです。今まで通り仲良し4人組でいれば、楽しい毎日を送れるんです。 そもそも私とナマエさんが結婚するということがおかしいんです。 だって複雑なことに、私はツナさんが好きで、京子ちゃんはナマエさんが好きなんですから。 でもそんなこと、ナマエさんだって分かっているはずです。 それなら、なぜ? 分かっていることがあると、分からないことが増えていくなんて、おかしな世の中ですよね。 ナマエさんは軽率な人ではありません。ただ結婚したいからなんて理由で、私たちの関係を壊してしまうようなこと、するはずがないんです。 だから私は、 ひとまずナマエさんと付き合ってみることに決めました。 あなたの真意を (ただ、知りたいんです) . |