ツクシ×アカネ/呉埜ゆき様(6/19提出)


もどかしいもどかしいもどかしい



おしゃべりな人間ほど、自分の気持ちに臆病な者はいない。
仲良くなれたんはええものの…変なとこで臆病な自分の気持ち、伝えられへん!

「アカネちゃん、どうかしたかい?」

ツクシ君に声をかけられてはた、と気づく。
あかんあかん!ぼけっとしとったらダメや!
今日こそ、好きやて言うんやから!

「アカネちゃん?」
「あ…な、なんもないで!」
「そう?あ、そうだアカネちゃんに見せたいものがあるんだ。」

ちょっと待ってて、という声を右から左に受け流して負の連鎖に肩を落とす。
最悪や、せっかく久しぶりに会えたのにツクシ君に気ぃ使わせてしまってるやなんて…それってどうなん!?
あああ、なんやこいつ人の話も聞かんで…とか思われとったらどないしよ…!
あかん、そう思われてんのとちゃうかって気になってきてしもうた、考えすぎやろか、でも、だめや…泣きそう…

「アカネちゃんってば、」
「うっ!?」

ぽんっと肩を叩かれてびくりと身体を揺らせば、見遣る先にツクシ君、が何かを持って立っとる。
視界が滲んで、うまく見えん。
視界が、滲んで…?

「ぼうっとしてたけど、大丈夫?」
「だ、大丈夫…」
「わ!アカネちゃんやっぱり今日何かあったんじゃ…」

ぼたぼた落ちる滴とずるずると鼻をすする音。
しまいにはううう、と唸るような泣き声に、ああ可愛くないと思えば悲しくてさらに涙が出てくる。
慌てるツクシ君が、ポケットからハンカチを取り出す。
…こんなんちゃうのに…泣き止まんと嫌われると腕でごしごしと荒く目元を擦る。

「こら!そんなに荒く擦っちゃダメ!」

ど、怒鳴られた―――っ!!!

怒鳴られたことにショックを受けるわ、出る涙をどうするかであわあわなるわ、もうだめや、うちの恋終わったわ。
さよなら、初恋…

「っ、わ!?」
「もう、アカネちゃんが擦るから赤くなってる。」

腕を引っ張られて呆けてたらそっと目元に触れたハンカチ。
そういえばさっきハンカチ出しとったなぁ、て、うちも持っとったわ…
嫌じゃないから大人しくしとく。
ツクシ君優しいなぁ…

「アカネちゃん」

とんとんと最後に触れて離れたハンカチをポケットに直して、うちを見上げるツクシ君。
怒ってるように見えるわ…

「アカネちゃん、僕と居るときに、他のこと考えないで。」
「…な、んて?」
「僕、アカネちゃんが好きなんだ。僕と居るのに、僕以外のこと考えて…泣かないでよ。」

うちは、ツクシ君のこと想って、ツクシ君が好きで泣いたんやで。
涙は止まったものの、今度はしゃくりあげて思ったことも言えない。
ちゃうよ、ちゃうねん。
うちもツクシ君が好きや。
ひくりと喉がなる。

「…うち、ツクシ君がっ、好き……!!」

手を伸ばして、ツクシ君の片手を掴む。
ああまた目が熱い。
体温が上がって汗が出る。
ぎゅうと握り返された手が、愛しい。

「やっと、両想い。」

最後に綺麗に微笑ったツクシ君の顔が、きっと一生忘れられない。








空回りの大告白。
(アカネちゃん真っ赤)
(な、名前通りとか思わんでな!!)
(ふふ、)
(…、その、手に持ってるの…なんや?)
(ポケモンの卵だよ、アカネちゃんにあげる。)
(ありがと…)
(どういたしまして。)









色々と不完全燃焼。
恥ずかしい内容になって
しまいました…

マイナーCPを愛でたい企画!様に提出




(10.06.19)
タイトルは「おやすみパンチ」様
からお借りしました




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