ジュン×コトネ/亮様(6/11提出)

 


シンオウ地方は寒いから、夏でもイライラするほどの暑さではない。
暑さなれしていないオレは、ジョウトに来たときは驚いた。
「死ぬ…暑い…」
「ジュンくんーもうちょっとがんばって!」
そんなオレの隣では、コトネがかわいい顔して応援している。
ただの散歩。自然公園まで。
最初はコトネと一緒なら苦じゃないと思ってたけど、相当な暑さだ。
大好きなコトネと一緒に居るのにこんな苦だなんて、夏のパワーは半端ない。
「わり、コトネ。ちょっと休憩していい?」
「うん、いいよ!」
コガネについて、すぐにコガネ百貨店に入った。
さすが大型デパート。自動ドアが開いた瞬間冷蔵庫に入った気分だった。
「っあー!!!生き返る!」
「シンオウって暑くないの?」
「全然!真夏だって20度ちょっとだぜ?それに比べてなんだってんだよこの暑さ!」
へぇ、とコトネはオレの言葉に驚いていた。
その興味津々な瞳は純粋でかわいい。
付き合い始めて結構経ったが、いまだにこのかわいさにはにやけてしまう。
そのたびに、コトネに「今にやけてたよ」と突っ込まれる。
それもまた癖になる…。
ああ、重症だ。オレ。
「ジュンくん、にやけてる」
「るっせ!」
幸せだな、オレ。

と思ったのも束の間、デパートを出れば地獄のような暑さ。
涼しいところに居た分、余計に暑く感じる。
「あとちょっとだからね!がんばって!」
かわいいかわいいコトネのために、男を見せようと思った。
コガネを出て、しばらく歩けば、公園の入り口が見えてきた。
「おお!」
「ついたー!」
最後の力で、オレは公園まで走った。
コトネもその後からついてきた。
「あー!疲れた!」
ベンチに座り、さっきデパートの屋上で買った水をがぶがぶと飲み干す。
コトネも、その隣に座るかと思えば、「あ、」と何かを見つけたようだった。
「コトネ?座んないの?」
「ちょっと待ってて!」
コトネは嬉しそうな顔をしてどこかに行ってしまった。
コトネの後を追うと、そこには一人の男の子。
…誰だあいつ。
コトネはその少年に話しかけると、楽しそうに会話をしていた。
その様子を不愉快に思った俺は、そっぽを向いてみないようにした。
せっかくここまで来たのに、ついたと思ったらすぐ他の男のとこいくなんて。
とか嫉妬してる自分を女々しくていやだが、でもやっぱり二人でおしゃべりしたかった。
お互い旅しているせいか、ジョウトに来るのはたまにで会えるのもたまに。
いわゆる遠距離恋愛というものだが、オレはコトネに対する気持ちっていうのは薄れたことはなかった。
でもコトネはどうなのかな。ジョウト地方には男の子もいっぱいいて、コトネも旅している分いろんな人とであって。
もし、その中でコトネと気の合う人がいたらどうしよう。
オレのこと、忘れちゃうのかな。
遠距離だから、年に数回しかあえないから、オレへの気持ち薄れちゃうかな。
そう、時々考えてしまうのだった。
「っうぉあ!」
ぼーっとそんなことを考えているうちに、右の頬の体温が急激に下がった。
冷たい。
「…あれ」
よく見ると、それは水色のアイスキャンディー。
差し出してくれているのは、
コトネだった。
「…」
「おいしいよ!」
ニッコリ笑うコトネの口にもアイスキャンディーが入っていた。
さっきのことを思うと、こちらもニッコリ笑えなくて。
アイスキャンディーを乱暴にとってしまった。
「どうしたの?」
隣に座るコトネ。オレの気持ち、分かっているのだろうか。
「…さっきの人、だれ?」
オレも女々しいのかな。こんなこと聞くの。
コトネもいやかな、束縛するような男。
でも、そんな心配は必要なかったようだ。
「何、ジュンくん妬いてるの!!あはっ、嬉しい!」
「え、べ、別に妬いてないしっ」
「ふふ、照れるなってー」
「照れてないし!なんだよ!なんだってんだよ!誰だよ!」
「ジムリーダーのツクシくん。虫取り大会の前日はいつもここにいるんだって!虫取り大会のプロなんだよー」
そんなウキウキと話されたら、何にもいえなくなるじゃないか。
だから、言わない代わりに少し無愛想な態度を取ってみる。
「へー」
「別に、変な関係じゃないよ?」
「ふーん」
「お友達だよ?」
「ほー」
「私はジュンくんが好きだよ?」
「ふー…ふん!?」
最後の言葉は聞き流すことができなかった。
い、今好きって…
いや、知ってるけど…でもそんなさらっと!
コトネを見ると、すごく得意げの顔。
「心配してたんでしょう?バカだなあ、ジュンくん!」
そういって、コトネはオレの食べかけのアイスキャンディーを勝手に食べた。
ちょ、これって間接チューでは!!
コトネは自分の食べていたピーチ味のアイスキャンディーを差し出した。
「好きだよ、ジュンくんは?」
オレはコトネに勝てそうにない。
天然そうな顔して、確信犯だろ。彼女は。そんなお前は罰金100万円だ。
「オレだって…コトネの倍好き!」
差し出されたピーチのアイスキャンデォーをかじった。


-end-



確信犯コトネと、そのコトネになかなか勝てないジュン。
そんな二人が好きです。






12



あきゅろす。
無料HPエムペ!