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反抗期の娘とその親の憂鬱
「かさい、かさい…」
パタパタとシックスの娘、XIがこちらに向かってくる
「どーした、XI」
思わず聞くとXIは俺の後ろに周りぎゅっと袖を掴む
「……パパが来る」
困ったようにXIは言う。
「……シックス?」

そう聞いた途端向こうからシックスが嬉しそうに歩いてくる
「XI、どうしたんだい?急に走り出すなんて、」

俺は思わず見ないふりをしたくなった
――シックスがメイド服を持って近寄ってくる
そんな光景なんて。


「それは着たくない…」
俺の後ろからXIがボソリと呟く。まぁ頷けるな、と俺が思うとシックスと目が合った
その瞬間に嫌な予感がよぎり背中を冷たい汗が流れた。
「なら、葛西。」
そう言ってニコニコ笑うシックスが怖く感じた。
「な、なんでしょう?」
思わず返事したが声が上擦る

「XIが着たくないと言ってるんだ、葛西。お前が着るしか無いだろう?」

やはり、嫌な予感は当たるもんだ。
俺がどう断ろうか悩んでいるとXIが口を開いた
「……パパの変態。」
一瞬空気が凍り付いた。

「XI…?」
「かさい、行こ。パパの変態が移る」
XIに引かれるようにその場から立ち去る
一人うちひしがれるシックスをその場に残して。



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