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☆criceto.1 骸ツナ


※パラレルです!

骸、雲雀が幼なじみで綱吉はハムスターです。
骸は一人暮らしで、雲雀は両親と住んでます。

いろいろ設定がアレですけど…、それでもOKという方は…!







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「……名前は『綱吉』。人間年齢にしてだいたい5歳くらいのはずだよ。で、この錠剤を飲ませろだって」


「ちょっとまって下さい恭弥くん、いきなり訪ねて来てなんですか?」



午後7時、六道家玄関にて。
家の主である骸は状況についていけず戸惑いの表情。
一方、六道家を訪れた雲雀はケージと錠剤が入ったビンを片手にすましたかおでつらつらと用件を述べていく。

雲雀が六道家を訪れた理由は、所謂お使い。



ことの始まりは1時間前にさかのぼる。


雲雀の母は温厚な性格で情に弱い。
ハムスターが増えすぎて困っていた友人から半ば強制的にハムスター1匹押し付けられ、しかし気のいい雲雀母は快く受け入れた。

そしてそのことをにこにこと笑いながら、己の夫に伝えたのだ。

だが、愛妻家できっちり5時30分に帰宅した夫、つまり雲雀父にハムスターを飼うことを伝えると雲雀父は途端に機嫌が悪くなり、そんなもの捨ててしまえと言い出した。

雲雀もその意見に同感だったが、「恭ちゃんどうしよぉ…!」と涙ながらに伝えてくる母を断るわけにはいかず、誰かに譲ることにしたのだ。

そこで雲雀がターゲットにしたのは近所に住む幼なじみ、六道骸。

こうして現在にいたる。



「いいからこのハムスター飼いなよ」


「別にいいですけど…その錠剤なんですか?」



明らかに怪しげな錠剤。
1粒しかないにも関わらず手の平サイズのビンに入っているのだから、謎だ。

骸が疑問に持つのも納得いく。



「さぁ?食べさせてないからわからない。1粒しかないし、一体何がしたかったんだろうね、うちの母親の友人とやらは」



骸は雲雀からケージと錠剤入りビンを受け取る。
ケージの中は木製の小さな家があるだけで、あとは何もない。



「じゃあ用件済んだし、僕は帰るよ。……あ、くれぐれも死なせないようにね、そのハムスター」


「はい?」


「……うちの母親からの伝言だよ。じゃあね」



言うだけ言うと雲雀は踵を返して行ってしまった。



「どうしましょう、かねぇ……」



手に持ったケージを見つめて、骸は呟いた。






***





「……………」



ケージをじーっ、と見つめる。
雲雀からハムスターを譲り受け、1時間が経過した。

しかし一向にハムスターは、姿を見せる気配がない。
たまにゴトッと音がするからそこにいるのだろうが、木製の小さな家から出てこようとはいない。

骸はどうしたものかと悩んだ末、エサでおびき出すことにした。



「ほーら、エサですよー」



ハムスターの口に合わせて一口分くらいの大きさに切った人参を摘み、ケージの側面についていた入口から手を入れる。

しばらくそのまま手を入れていたが、やはり反応はない。



「(人参は嫌いなんでしょうか……)」



それならば、と次はリンゴを程よい大きさに切り、手で摘んで入れてみる。


すると、木製の家の中からガタッと音がした。

そしてようやくハムスター、もとい綱吉が木製の家から顔を覗かせた。



「(…か、可愛い…!)」



ハムスターという生き物を骸が見たのは初めてで。
もとより愛玩動物など興味なかった骸だったが、綱吉の可愛さに心を打ち抜かれた。


綱吉は覗かせた顔を、周りを確認するためかキョロキョロと動かした。
その動きも可愛くて、骸は軽い興奮で手が震えた。


やがて危険ではないと思ったのか綱吉は木製の家から出て、リンゴがある骸の手へ向かう。



「(あああっ、可愛いです…!)」



リンゴを見るのは初めてなのか、くんくんと匂いを嗅いでいる。
安全確認し大丈夫と判断したのだろう、骸に摘まれたリンゴにかじりつく。



「(くふーっ!!かじかじしてます…っ、ああ、なんですかこの可愛さは!!!)」



カジカジカジカジ。


やがてリンゴを食べ終えた綱吉は骸の手に興味をもち、のぼりだした。



「(つつつ、綱吉くんが僕の手に…!あわわわわ!!!
………はっ!あの錠剤!)」



ビンに入ったあの錠剤のことを思い出す。
雲雀はあの錠剤を飲ませろ、と言っていた。


骸は手にのぼった綱吉をそのままに、ケージから手を引き抜いた。

そして錠剤をもう片方の手でとり、手にのっている綱吉へと差し出す。



「綱吉くん、どうぞ」



目の前に出された錠剤に先程と同様、匂い確認。
そして食べる。



「(いちおう匂い確認はしているみたいですが…、危機感があまりなさそうですね、綱吉くんは)」



カジカジカジカジ。


錠剤が美味しいのか、それとも空腹なのか、綱吉はかじることをやめない。
そして錠剤を食べ終えた綱吉が突然、


白い霧に包まれる。



「何事ですか!?」



突然の出来事に焦る骸。
しかし霧は収まることをしらず、やがて綱吉の姿が見えなくなった。



そしてまたもや突然骸の手、綱吉を乗せていた方の手に綱吉の重量ではない、明らかにそれより重い重量がかかった。

反射的にもう片方の手も使って、支える。


霧もだんだん消えはじめた。



視界がはっきりして、目に入ってきたのは……



「…っ!?こ、ども…?」



まだ幼い、しかも獣耳を生やした男の子だった。







*:+゚*:+゚*:+゚*:+゚*:+゚*






ツナしゃべってない…!
まだ続きます。とりあえず続きます。
増えたらNovelへ移動するかもしれません!
ちなみにタイトル「criceto」はイタリア語でハムスターです!!


雲雀さんの両親、父は雲雀みたい、母はツナみたいなイメージ!

「捨ててしまえ」と言った理由としては、愛妻家である雲雀父がハムスターに嫉妬したからです。
にこにこしながら「見て!ハムスター譲ってもらったの!可愛いでしょ?」とか言ってるのを見て、ハムスターに嫉妬…というワケです((わかんねぇよ


ちなみに雲雀母の友人(ハムスター押し付けた人)はリボーンという裏設定(笑)
リボーンが渡したなら、変な錠剤も納得いきますよね!←




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あきゅろす。
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