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宝物
和魚様からヨハ十

「俺、ヨハンを嫁にする!!」


『『どうしてそうなったんだ』のよ・・・』



一大決心をした十代はHERO達に総突っ込みされた。
その日の昼の事、留学組が来てからいうものヨハンと十代は
衣食住を共にしていて初めての別行動となった。
留学組だけの話し合いなのだと門前払いされた十代は別の教室で突っ伏している。
元気が無いのもほどがある。
舎弟(?)達が必死にフォローをするが耳をすり抜けているようだ。


「しょうがないっスよ。それに留学してきたってことはいつか帰っちゃうわけだし・・・」


「・・・っ・・・・!」


その言葉だけは虚ろになっていた十代の心に深く突き刺さった。

帰る?誰が?何処に?



「ヨハンが、帰る・・・・」


そこから教室を飛び出し、島中走り回ってレッド寮に帰ってきた十代が放った言葉が、あれだった。
十代の精霊達にもどういう経由でそんな結論に至ったのか謎だ。


「ん、十代?帰ったのか?」

「っっ!!ヨハッ・・・お前、いたのか!?」

「いたのか、っていつもこっちで寝てるだろ〜」

「ははは・・・まぁそうだよな・・・・」


ちゃっかりと十代の寝ているベッドに入って眠っていたヨハン。
いつもなら一つ上の寝床を使うのに・・・・

「今日は半日しか一緒にいれなかっただろ?寂しかったんじゃないのか?」

「誰がだよ〜」

特に気にも留めずヨハンのいるところに入って眠りにつく。
狭いけど、暖かい。
時々頭を撫でてくれるのとか、すごく安心する。
このぬくもりが無くなってしまうなんて、ありえない。

(血の繋がらない赤の他人とずーっと一緒にいるには、結婚しかねぇよな!)


少ない脳みそで一生懸命考えて、十代は知恵熱にうなされながら眠りについた。



「でもどうしたら嫁にできるんだろう??」
誰かに聞いてしまって、ヨハンに知られてしまうのはなんか嫌だ。
言うのなら自分からがいいし、吃驚させたい。
少ない知識でテレビで聞きかじったことを一生懸命思い出す。
後、吹雪さんが言ってた事とか・・・・胸キュン・・・いやあれはよくわからない。
というか、今こうしてヨハンと別行動していることすら苦痛だった。

「あ〜・・・早くヨハンとデュエルしてぇ・・・・ん?」

デュエルに勝ったら俺の嫁になれ!
そうだその手があった!


そうと決まればさっさとデュエルして勝てばいい。
十代は決闘者であってホントに良かったと思った。
生徒手帳の通信機能でヨハンを呼び出し、いつもの屋上で待つ。
つもりだったのだが、先に来ていたのはヨハンだった。
こういうときは告白するやつが待ってほうがいいんじゃないか?

「俺を放っておいて、どこほっつき歩いてたんだよ・・・」
しかも何故か怒っている様子。
「何処って、別にちょっと、散歩みたいなもん?」
「デュエルするんだろ?いいぜ、さっさと始めようぜ。だけど一つ条件がある。」
「・・・なんだよ。」
「俺が勝ったら、十代に言いたい事がある。」
「えーっ!それ、俺が言おうとしてたのに!!」
「お互い譲れない、真剣バトルってわけか・・・・デュエルだ十代!」
「ああもう・・・予定狂うなぁ!こい、ヨハン!」
そんで勝ったのは・・・・ヨハンの方だった。
宝玉獣もすごい真剣で、無駄口無くかなり気まずいデュエルだった。
ヨハンもまったく話しかけても答えてくれなくて悲しかった。
こんな風にヨハンにガン飛ばされながらすることなんてなかったから・・・。
これだけ怒ってるんだから、言いたい事もきっと喧嘩腰になりそうなことなんだろう。
十代はその場に座り込んで目を瞑った。
何を言われても、拳骨が飛んでこようとも平気なように。
だけどいつまでたっても何も無い。

がつんとくる衝撃を予想していたのに、優しく抱きしめられていた。
「・・・・ヨハン?」
「十代・・・・結婚しようぜ。十代がいないと、辛いんだ。」
「は・・・え?」
「そういうの疎い方だって、聞いたけど、やっぱり言うべきことはいっとかなきゃな!」

「ガッチャしながら言うな!それ、俺言おうとしてたのに・・・なんでヨハンが言うんだよー!」
「え?マジで?」
「そうだよ!それでヨハンを俺の嫁にするんだーー!!」
「でも俺が告ったから十代が俺の嫁な☆」

ヨハンは唇に触れるだけのキスをした。
「・・・??なんだそれ?」
「え、何ってキスだけど・・・・」
「そういうのは、告白したらするものなのか??」
首をかしげる十代に、ヨハン(と精霊達)は絶句した。
告白だの、俺の嫁だの言っておきながら・・・。
(これはちゃんと教えてやらないとなぁ)
ヨハンは謎の使命感を覚えた。

「ところで、”俺の嫁”にされたらどうしたらいいんだ?」
「とりあえず俺から離れんなよ。」
「それっていつもと変わらないんじゃあ・・・」
「基本変わらないと思うぜ?多分。」
「ふーん・・・」
まぁ、いつもと変わらないならいいか。
と、安堵する十代だったが、夜に大変後悔する事になるのでした。。。【おしまい】


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和魚 結城様からいただいたヨハ十小説です。
二人ともかわいらしくてニマニマにやにやしてしまいました
和魚さんリスペクトです…

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あきゅろす。
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