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悪夢(カク/OP)





「ご馳走様ッ!あ。誰か暇な人トレーニング付き合ってくれないかなぁ?」

朝食を済ませ、早々と立ち上がるはCP9のアイドルに成りつつある
男達はこの、愛敬のある、人懐っこい笑顔にやられてしまうらしい。CP9のメンバーも、決して例外ではないようで。

「愛のトレーニングか?だったら俺がいくらでも付き合ってやるが?」

「何をさらりと言ってんだルッチ?!(怒)……お前本当にトレーニング好きだなァ。しゃあねぇ、オレが相手してやるよ」

「何を言うておる。お主らの様な奴じゃの相手は務まらんわい。、ワシが相手になるぞ?」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ3人。そこにいた他のメンバーは「また始まった;」と、苦笑したまま顔を見合わせる。

「喧嘩するならいーよ。もう3人には頼まないから。ブルーノ相手して〜♪」

ふい、と外方を向く。そして、そっと傍観していたブルーノへと視線を移した。

「俺か?まぁ良いが…」
「ありがとうッ♪ブルーノ大好きvV」

にっこりと笑うに3人が見惚れている間に、2人は部屋を出ていった。

向かう先は特別訓練室。そこは専らCP9メンバーのトレーニングルームとなっている。

「指銃!!」
「鉄塊」

声に余裕はあるが、2人共完全に息が上がっている。メンバー同士で傷つけ合うのもいけないので、お互いに手加減はしているとは言うものの、やはり手合せは疲れるものらしい。

「うー…どうしても勝てないなぁ。動力では勝ってるはずなのに」
「お前は力に任せすぎだ。もっと頭を使えば良い」
「ルッチみたいな事言わないでよ;どうせアタシは馬鹿ですよー」
「ははは」

ぷぅと膨れるに苦笑するブルーノ。元々この2人は仲が良い。はブルーノを兄(父?)の様に慕っている。ブルーノも同様にアスリのことを妹(娘?)の様に可愛がっていた。

バタンッ……

と、いきなりドアが開き、海兵が飛び込んでくる。

さんッ!スパンダム長官がお呼びです」
「何よ〜今良いトコだったのに」
「誤解されるようなことを言うんじゃない;」

あはは、と明るく笑う。そんな彼女に今日何度目かの苦笑をしつつ、早めに行くよう促す。

「面倒だなぁ」
「そういうな。仕事だろう」「そうだけどさ。長官嫌いだし。煩いし我儘だし、コーヒー零してばっかだし」

最後の台詞に吹き出して笑う2人。海兵も笑いを堪えているようだった。

「じゃ、ちょっくら行ってきまーす」
「あぁ。あまり上官をからかうもんじゃないぞ?」
「了解ー」

「あ。それと、
「ん?何ブルーノ」

肩越しに振り返って。

「先刻の話だが…」
「…だから、なぁに?ブルーノがハッキリ言わないなんて変なの」

ちょこ、と小首を傾げて、頭には「?」マークが。

「…もっと素直になれよ?」

その台詞にキョトンとしただったが。

「はぁい。分かってまーす」

ひら、と手を振って、部屋を後にした。



「カク、。任務だ」

そう言って差し出された1枚の紙。

[海賊に占拠された町の人質(住民達)を解放せよ]

「了解じゃ」
「はぁい。………ん?!」

にっこり告げるカクと、対照的に真っ青な

「ん?どうした。何か問題でもあったかぁ?」

…大アリだ。
まったく何を考えているんだこの長官は。
口には出せないのでせめて胸中で毒吐く。

問題点@「(任務委託書より抜粋)…尚、海賊の規模から推測して住民の解放を完了するために丸1日の時間を要すると思われ、任務当日はその町にて宿泊となると思われるが、海軍の予算の問題により部屋はは2人で1室となっている」

問題点A「任務に就くのがカクと自分の2人だけ」

…この2つ。


しばらくして、ジャブラの自室における、ジャブラとルッチの会話―――――

「何ィ!!カクとリが2人っきりで、さらに泊まり掛けの任務だァ!?」
「…しかも政府は宿1室しか用意していないらしい」「何だよソレ?!クソッ、貧乏政府め」
「………」

あきらかに苛々した声がしばらく響いていたとか……


「ほんっとーに信じられないわあの馬鹿長官ッ」
「まぁまぁ、落ち着け」
「これが落ち着いていられますかっての!!」

こちらはブルーノの自室。この部屋でも同じく苛ついた声(しかも馬鹿デカイ)。声の主は、先程任務を受けたばかりの
それをまた苦笑しつつ宥めるブルーノ。

「任務なんだ。仕方ないだろう?」
「だってあの腹黒何するかわかったもんじゃないし」「カクだってガキじゃないんだ。いらん心配しないで行ってこい」
「…はぁい」(かなり不満げ)



そして、出発の日――――

「んじゃ、行ってきまーす」「…明日の夕方までには帰ってくるんだろ?」
「うん。そうだね」
「カクに何かされたらすぐ戻ってこいよ!?」
「何か、とは何じゃ。ワシは悪人か」

見送りにきたルッチとジャブラ、そしてブルーノ。
3人共、各々の理由で心配そうな顔をしている。
たった1日の任務だ。軽く挨拶を済ませ、2人は海列車に乗りこんだ。


「嫌に混んでるわねぇ」
「仕方ないじゃろう、船を持たぬ者にとって海列車は唯一の移動手段なんじゃからの」

ぎゅうぎゅう詰めの車内に入るや否や、文句を零す。それに苦笑しつつ、カクはさり気なくを守るような場所へと立つ。まぁ、そんな気遣いにが気付くわけもないが。


「やっと着いたわね」
「あぁ、やっとじゃ」
「さっさと任務済ませて帰ろうね?」
「…約束は、できんのぅ」



荒っぽい波の上。その上の海賊船。任務執行中。

「がははは!可愛いお嬢さんにボクじゃねぇか!」
「煩いわねぇ…」
「お前なんかに用は無い。さっさと船長を出さんか」
「何だと!!?」

怒りで真っ赤になる海賊。

「殺っちまえ!!」

「あーあ。面倒な事になっちゃった」
「さっさと帰るんじゃろ?ボーッとしとらんで働け」
「はいはい」


「アンタが船長ね?」
「あァ…よくもお前等、俺の部下達を…」
「先に手を出したのはそっちじゃろう」
「…ッ…!テメェ等ッ!!」

大剣を振り上げ、に襲い掛かる海賊船長。

ッ!」

キィン……ッ!!

「?!」
「馬鹿ね、女だからって甘く見てんじゃないわよ!」

動じる事無く鉄塊で技を受けたは、そのまま海賊の剣を弾き飛ばす。

驚愕。海賊の顔から汲み取れた感情は、ただそれだけだった。

「カク、こいつ賞金首だったわよね?」
「?…あ、あぁ。生死を問わず、じゃよ」
「そう。アンタ、運が悪かったわね。今日の最高に機嫌の悪いアタシに出会っちゃうなんて」
「!!」


一瞬、だった。

紅く紅く、彼が染まったのは。

飛び散る鮮血。

海賊の、最後の表情。


恐怖。



「死にたくない……お前達は正義じゃ、ない……」

それが、彼の人生の最後の言葉だった。



「はぁ〜あ、疲れたぁ」
「まったくじゃ」

任務を終えたら、やはり海列車の最終便は出てしまっていた。仕方なく、ホテルにチェックインするカクと。1人部屋。といっても、広さはかなりある。内風呂。ダブルベッドが1つ。そんな部屋だった。

「先にお風呂入っていい?」「あぁ、いいぞ」
「覗かないでよ?」
「…わかっておるよ」

少しの間が恐い気もしたが、取り敢えずすっきりしたいと思い、風呂に入ることにする。


「上がったよ〜」
「おー…って、何て格好しとるんじゃ!」
「ん〜?いーじゃん熱いんだもん。カクも早く入ってきなよ」
「そういう問題じゃ…;」

バスタオル1枚という何とも無防備な格好で出てきたを見て慌てるカク。そんなカクに、煩いわね、と一言だけ言って風呂場へと押しやる
それに観念し、大人しく風呂に入ることにするカク。


「上がったぞ〜」
「おかえりー…ってアンタねぇ!何て格好…ッ!?」「何じゃ?お相子じゃよ」

振り返るそこには、バスタオル…というかフェイスタオル1枚のカクが。

にっこりと笑うカク。
がっくりする

もうはパジャマに着替えていた。

「もう着替えてしもうたのか。残念じゃな」
「残念てアンタねぇ;まさかそのまま寝るとか言わないでしょうね?!」
がお望みならそうするがのぅ?」
「んなコトしたら指銃ね」

黒く笑うに苦笑するカク。取り敢えず、下だけは服を着るようにしたらしくホッとする。


「疲れたぁ。もう眠いかも」「随分と早いのぅ。仕方ない、ワシも寝るとするか」
「ちょっ…?!一緒に寝るわけ!?」
「ダメかのぅ?」

そんなにあっさり、にっこりと言われては、怒る気力も出ないのか、諦めてベッドに入ってきたカクに背を向けて寝始める

「冷たいのう」

苦笑するのが、背後からの気配でわかる。だが、意識はすぐに睡魔へと連れ去られてしまった。





死にたくない……お前達は正義じゃ、ない……





死ニタクナイ……オ前達ハ正義ジャナイ……





夢に出てきた。

あの男の顔。恐怖の、顔。

この手で、殺した……。



「ん…ぅん……」
「……?…?」

夜中。ふと隣から聞こえたうなされているような声。何だろうと隣で寝ているを見れば、やはり、うなされていた。

?大丈夫か!?」
「んん…カク……?」
「どうしたんじゃ?すごい汗じゃぞ」
「…怖い、夢…見た……」

その夢を思い出してしまったのか、ガクガクと震える
普段の明るさからは考えられない、真っ青な顔。

「大丈夫じゃよ…大丈夫じゃ。ワシがついとる」

宥めるように背中を擦ってやると、安心したのかどうか、自分の胸に顔を埋めて泣き始める。

「怖い…怖いよカク」
「大丈夫じゃて。何にも怖いことなどないわい」
「……昼間の海賊…」
「?」

は、夢の内容を全て話した。

「そうじゃったんか…」
「何か、正義って何なのかわかんなくなってきた」
「…正義は正義じゃよ。CP9とは正義の為の暗殺集団じゃ。ワシ等がそれを信じずに、何処の民がワシ等を信じるんじゃ?」
「……」

俯いたまま黙ってしまったを、カクは一晩中抱き締めていた。



「これ、いつまで寝ている気じゃ?」
「え…?」

目を覚ますと、目の前にカクの顔が。びっくりした。
「おはようさん」
「おはよう」

キョトンとしている私に、驚いたように。

「何じゃ?昨日のことも忘れたんか?」
「昨日?……あ!昨日ッ!」
やっと気付き、慌てて謝る

「気にせんでも良いわい。お陰様で良い思いさせてもらったしのぅ」
「……///」

急に、昨夜のことを鮮明に思い出してしまい、真っ赤になる。それを見ていたカクはクスクス笑いながら頭を撫でる。

「落ち着いたかの?」
「うん。だ、大丈夫よ」

ニカッと笑って、さっとこちらに背を向ける。
それに一瞬だけ苦笑し、そっと後ろから抱き締める。

「ちょ、カク…?//」
「好きじゃよ、
「……馬鹿///」
「馬鹿で結構」

ぎゅっ。今、この瞬間。
2人は笑っている。

ちゅ……

「ん……//」
「わはは、真っ赤じゃの。まるで林檎のようじゃ」
「煩い、見るなッ…って、ちょっとカク?!」
「何じゃ?」

き、キスマーク付けたわね?!

「ダメじゃったかの?」
「ルッチとかジャブラに何て言うのよ!?変な誤解されるの嫌よ!!」
「ワシは構わんよ」
「馬鹿カクッ!!」


「ただいま〜」
「ただいまじゃ」
「おかえり、
!遅かったじゃねェか」
「何じゃ、ワシのことは待っててくれんのか;」

出迎えに来たのは、ルッチとジャブラ。ブルーノは生憎任務中らしい。
2人きりでの任務の腹いせか、カクに冷たい2人。

と、そこで、2人の視線が一点に集中する。

、この絆創膏…」
「え?…あ!これ、虫刺されよ虫刺され!」

ギラリ。2人の目が光ったのは、見間違いではなかったらしい。

「おい、を押さえろ」
「了解」

息ピッタリの2人。
珍しい事もあるものだ。

「ちょっと!止めてよ!」
「キスマークじゃねぇか!」
「カク、貴様…」
「ワシは知らんよ〜♪」

真っ赤になって怒るジャブラとルッチ、バレたショックに固まる、そしてさり気なく、機嫌良さそうに逃げて行くカクだった。


(コメント)
何か長くなっちゃった…(苦笑)
カクと絡めようと思ったんだけど、何故かブルーノが出てきてました(ヲイ)
ジャブラとルッチはどうなるんでしょう。
アスリの本命は?!

つか、後ろから抱き締められるのって萌えるvV
カクさんとかルッチ様とかジャブラ(呼捨てかよ/笑)とかに抱き締められるんだったら何でも萌えるけどさ!むしろ萌死にた(ry

最近は縄と雉と長官にも填まってきてる…(爆)
ONEPIECE最高vV
(↑無理矢理閉め/コラ)

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あきゅろす。
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