何が欲しいかな?/カクセレ(VD) 「カクさん、これっ…///」 「ん?チョコかの?ワシが貰っていいんか?」 真赤な顔をして頷く女から笑顔でチョコを受け取る。 「…カクって、意外にたらしよねぇ」 「何じゃアスリ。見とったんか」 走って去った女を見届けると、後ろから仲間の声が。 「下手に優しくすると女の子誤解しちゃうんだから」 「それは何か?嫉妬してくれてるんか?」 にっこり言うカク。 少しだけ顔を赤らめ、セレカ。 「‥‥違うわよ。何でアタシが」 ふぅ。横で溜息を吐くのが分かる。 「素直じゃないのう」 それには反応せずに、自室へと歩きだす。 黙ってついて行く。 「のう、セレカ?」 「…?」 「ちょっと、」 そこで、向かいから歩いてきたミリィとマリンに声を掛けられる。 「あら、2人共何してんの」 「抜け駆け‥‥」 「ちっ、違うわよ!?」 「何じゃ2人共。邪魔せんで欲しかったのう」 冗談を言って、笑って。 彼女は膨れていたけれど。 「……結局言いそびれてしまったのう」 自室へ戻り、1人溜息を。 今日、自分にチョコをくれなかったのは彼女だけ。 そう。1番貰いたい相手。 ガチャ。 「カクいる?」 「セレカ…何か用か?」 「んー…用っちゃ用かな」 スタスタ中へ入って来て、自分が座っているソファの空いている所へ腰掛ける。 「何でわざわざ隣に座るんじゃ;」 向かいが空いているのに、と苦笑し。 「…やだ。こっちがいいの」 素直じゃないなりに甘えてくる彼女が愛しい。 肩にもたれる彼女の頭。 そっと、肩を抱き寄せる。 「ごめん、カク」 「…?」 何を謝られているのか分からない、と言うように首を傾げ。 俯いていた彼女が、顔を上げた。 「チョコできなかったの。失敗しちゃって」 しゅん、と再び俯いて。 優しく笑い、頭を撫で。 「セレカが居れば何もいらんわい」 それに、驚いたような顔をして。 「馬鹿みたい」 紅い顔を隠すように、照れ笑いを浮かべ。 「どうせ馬鹿じゃよ」 ふっと笑み、抱き締め。 「チョコより、ワシは…」 「ん?」 「いや、何でもないわい」 もういいのだ。 もう、手に入れたから。 (コメント) 甘――…(砂糖吐くぞお前) チョコなんかより断然胃に悪いね。 反省なさいよ?(お前がな) チョコより、ワシは。 お前さんが、欲しかったんじゃから。 −+−+−+−+−+− 2007年2月末までお持ち帰りフリーです。 ご希望とあらば女子3人の名前変えられます。 [Back][Next] [戻る] |